こんにちは!PCParts-Labのマキです。
「最近、インターネットの通信速度が遅い、よく途切れる…」と感じていませんか?その原因、もしかしたらLANケーブルの劣化や寿命が関係しているかもしれませんよ。LANケーブルにも物理的な年数の目安や、技術的な耐用年数というものがあるんです。
この記事では、LANケーブルの劣化で起こる症状から、断線や爪折れといったトラブルの原因、屋外での紫外線による影響、頻繁な抜き差しのリスクまで詳しく解説します。さらに、簡単な確認方法やチェック項目、交換時期のサイン、交換するメリット、そして新しいケーブルの選び方としてカテゴリごとのおすすめも紹介しますね。
ケーブルを長持ちさせる方法や、ちょっとマニアックな法定耐用年数と減価償却の話、最後の処分方法まで網羅しているので、ぜひ参考にしてください。
- LANケーブルの物理的・技術的な寿命の目安
- 通信が不安定になる劣化のサインと原因
- 初心者でもできる簡単な状態確認の方法
- 用途に合ったLANケーブルの選び方とおすすめ
LANケーブルの耐用年数は?寿命のサインと原因を解説
- LANケーブルの年数の目安は?
- LANケーブルの劣化で起こる症状
- 通信速度が遅い・途切れる原因
- LANケーブル劣化の主な原因
- 内部断線や爪折れのリスク
- 屋外での使用は紫外線に注意
- 頻繁な抜き差しは劣化を早める
LANケーブルの年数の目安は?

LANケーブルの寿命って、実は「物理的な耐用年数」と「技術的な耐用年数」の2つの側面から考える必要があるんですよ。ここ、意外と知らない人が多いポイントかなと思います。
物理的な耐用年数
ケーブルそのものが物理的に壊れるまでの期間のことですね。これは設置環境によって大きく変わります。
| 設置環境 | 耐用年数の目安 | 主な劣化要因 |
|---|---|---|
| 屋内(通常環境) | 20年~30年 | 一度設置して動かさなければ非常に長持ち |
| 屋内(過酷な環境) | 数年~10年程度 | 踏みつけ、椅子のキャスター、頻繁な抜き差し |
| 屋外 | 1年~5年程度 | 紫外線、風雨、温度変化(※屋外用ケーブルでない場合) |
屋内できれいに配線していれば20年以上もつこともありますが、デスクの足元で踏まれたり、ドアに挟まれたりするような場所だと、数年でダメになることも珍しくありません。
技術的な耐用年数
こちらはケーブル自体は壊れていなくても、通信規格の進化によって性能が不足してしまう状態のことです。
例えば、10年前に主流だった「カテゴリ5e」のケーブルは1Gbpsまでの対応です。最近増えてきた10Gbpsの光回線を契約しても、このケーブルを使っていると速度が頭打ちになってしまい、ケーブルがボトルネック(性能の足を引っ張る原因)になってしまいます。こうなると、物理的には問題なくても「技術的な寿命」を迎えた、ということになりますね。
LANケーブルの劣化で起こる症状
LANケーブルが劣化してくると、通信に関する症状と、見た目でわかる物理的な症状が現れます。もし心当たりがあったら、ケーブルの劣化を疑ってみるといいかもしれません。
通信に関する症状
- 契約している回線速度より著しく速度が低下する
- インターネット接続が頻繁に切れる、不安定になる
- オンラインゲームやビデオ会議でラグ(遅延)が多発する
- 特定のサイトやサービスに繋がりにくくなる
- 最終的には全く通信できなくなる
「最近ネットがプチプチ切れるな…」と感じたら、それはケーブルからのSOSサインかもしれませんよ。
物理的な症状
ケーブル本体やコネクタ部分を目で見てわかるサインもあります。
物理的な劣化のチェックポイント
- ケーブル被覆:ひび割れ、硬化、ベタつき、変色、破れ
- コネクタ(RJ-45プラグ):ラッチ(爪)の折れ、端子の錆や腐食
- ケーブル全体:強く折れ曲がった跡、踏みつけられた跡
特に、コネクタの爪折れはよくあるトラブルですね。カチッと固定されなくなるので、少しの振動で接続が切れる原因になります。
通信速度が遅い・途切れる原因

「ケーブルがちょっと傷んだくらいで、そんなに速度が落ちるの?」って思いますよね。これにはちゃんとしたメカニズムがあるんです。
速度低下のメカニズム
LANケーブルの中には、実は8本の細い導線が入っています。この8本がペアになって通信することで、高速通信を実現しているんですね。
もし、踏みつけなどでこの8本のうち1本でも断線したり接触不良を起こしたりすると、通信が完全にできなくなるのではなく、より少ない本数で通信できる下位の規格に速度を落として接続を維持しようとするんです。これを「フォールバック」と言います。
例えば、1Gbpsで通信するには8本全ての線が必要ですが、100Mbpsなら4本で通信できます。そのため、1本の断線で突然速度が1Gbpsから100Mbpsに落ちてしまう、という現象が起こるわけです。
接続が途切れるメカニズム
接続が頻繁に途切れる場合は、内部の導線が完全に切れておらず、切れかかっている「半断線」の状態が考えられます。ケーブルが少し動いた瞬間に接触したり離れたりを繰り返し、接続が不安定になるんですね。
また、コネクタの爪が折れていてポートから抜けかかっている場合も、ちょっとした振動で接触不良が起きて接続が途切れる原因になります。
LANケーブル劣化の主な原因
LANケーブルが劣化する原因は、大きく分けて「経年劣化」「物理的損傷」「取り扱い」の3つです。普段の何気ない使い方が、ケーブルの寿命を縮めているかもしれませんよ。
経年劣化
- 紫外線:窓際など日光が当たる場所に置いていると、被覆が硬くなってひび割れの原因になります。
- 熱・温度変化:PCの排気口の近くや、寒暖差の激しい場所も被覆の劣化を早めます。
- 湿気・水分:コネクタの金属端子が錆びてしまい、接触不良を引き起こします。
物理的損傷
- 踏みつけ・圧迫:人の往来がある場所や、家具の脚で踏むと内部で断線しやすいです。特に椅子のキャスターは要注意!
- 過度な屈曲:ケーブルをきつく折り曲げると、内部の導線が切れたり、通信品質が低下したりします。
- 引っ張り:プラグを抜くときにケーブル部分を引っ張るのは絶対にNGです。断線の最大の原因ですよ。
- ペットによる破損:犬や猫がケーブルを噛んでしまうケースも意外と多いです。
取り扱い
日常的な使い方でも劣化は進みます。特に、コネクタの抜き差しは注意が必要です。また、ケーブルを壁に固定する際にタッカー(建築用ホッチキス)を使うと、針が内部の線を傷つけてしまうことがあるので気をつけましょう。
内部断線や爪折れのリスク

LANケーブルのトラブルで特に多いのが「内部断線」と「爪折れ」です。どちらも通信に大きな影響を与えるので、しっかり理解しておきましょう。
内部断線
内部断線は、ケーブルの外見上は全く問題ないのに、内部の導線が切れてしまっている状態です。踏みつけや急な折り曲げが主な原因で、見た目では判断がつきにくいのが厄介なところ。
症状としては、先ほど説明したように通信速度が極端に低下したり(1Gbps→100Mbps)、全く通信できなくなったりします。原因不明の速度低下が起きたら、まず内部断線を疑ってみるのがセオリーですね。
爪折れ
コネクタ(RJ-45プラグ)にある、ポートにカチッと固定するためのプラスチック製の部品が「ラッチ」、通称「爪」です。これが折れてしまうと、ケーブルがしっかり固定されず、少しの衝撃で簡単に抜けてしまいます。
頻繁な抜き差しや、ケーブルに足を引っかけてしまった時などにポキッと折れやすいです。突然ネットが切れる原因の多くは、この爪折れによる接触不良だったりします。
爪折れ対策
- 爪折れ防止カバー付きのケーブルを選ぶ:最初から爪が保護されている製品がおすすめです。
- 後付けのラッチ補修パーツを使う:折れてしまった場合でも、数百円で売っている補修パーツで復活させることが可能です。
屋外での使用は紫外線に注意
時々、屋内用の普通のLANケーブルを窓から出して、隣の部屋まで配線しているケースを見かけますが、これは絶対に避けるべきです。
屋内用ケーブルを屋外で使うリスク
一般的なLANケーブルの被覆に使われているPVC(ポリ塩化ビニル)という素材は、紫外線に非常に弱いという性質があります。屋外で使うと、数ヶ月から1年ほどで被覆がボロボロに硬化し、ひび割れてしまうんです。
さらに、防水性もないため、ひび割れた箇所から雨水が浸入して内部の導線を腐食させ、ショートや断線の原因になります。まさにトラブルの元ですね。
屋外用LANケーブルの特徴
屋外でLANケーブルを使用する場合は、必ず「屋外用」と記載された製品を選んでください。屋外用ケーブルには、以下のような特徴があります。
- 耐候性被覆:紫外線や温度変化に強いPE(ポリエチレン)素材などが使われています。
- 二重被覆構造:被覆が二重になっており、物理的な強度や防水性が高められています。
- 防水・防鼠加工:製品によっては、内部に防水ジェルが充填されていたり、ネズミに噛まれないための加工がされていたりします。
注意!
屋外での配線は、ケーブルの劣化だけでなく、落雷による機器の故障リスクなども伴います。安全性を考慮し、基本的には専門業者に相談することをおすすめします。
頻繁な抜き差しは劣化を早める

ノートPCの持ち運びなどで、LANケーブルを頻繁に抜き差しする人もいるかと思いますが、これも劣化を早める原因になるので注意が必要です。
劣化の主な要因は2つあります。
- ラッチ(爪)の疲労
プラスチック製の爪は、抜き差しのたびに曲げ伸ばしされるため、だんだん脆くなっていきます。製品によりますが、数百回〜数千回の抜き差しが耐久性の目安とされることが多いですね。 - 金属端子の摩耗・汚れ
コネクタ内部の金メッキされた端子も、抜き差しで物理的に摩耗します。また、手の皮脂やホコリが付着して接触不良の原因になることもあります。
劣化を防ぐためにも、正しい抜き差しの方法を覚えておきましょう。
正しい抜き差しの方法
- 抜く時:必ずプラグの根元を持ち、爪をしっかり押さえてロックを解除してから、まっすぐ引き抜く。ケーブル部分を引っ張るのは厳禁です!
- 挿す時:「カチッ」と音がして爪がロックされるまで、まっすぐ奥に差し込む。
この一手間を意識するだけで、ケーブルの寿命は大きく変わってきますよ。
LANケーブルの耐用年数を迎えたら|交換と選び方ガイド
- 劣化の確認方法とチェック項目
- LANケーブル交換時期のサイン
- LANケーブルを交換するメリット
- LANケーブルの選び方とカテゴリ
- 用途別おすすめLANケーブル
- LANケーブルを長持ちさせる方法
- 法定耐用年数と減価償却
- LANケーブルの正しい処分方法
- まとめ:LANケーブルの耐用年数を理解しよう
劣化の確認方法とチェック項目
「うちのLANケーブル、もしかして劣化してる?」と思ったら、まずは簡単にチェックしてみましょう。専門的な道具がなくてもできることから始めるのがポイントです。
ステップ1:簡易的な確認(道具不要)
- 目視確認:ケーブル全体をよく見て、被覆の破れやひび割れ、極端な折れ曲がりがないか確認します。コネクタの爪が折れていないか、端子が汚れていないかもチェックしましょう。
- 再接続:ケーブルの両端を一度抜いて、もう一度「カチッ」と音がするまでしっかり差し込みます。これだけで接触不良が解消されることもあります。
- ポートの変更:ルーターやハブの別のLANポートに差し替えてみましょう。ケーブルではなく、ポート側が故障している可能性も考えられます。
- ケーブル交換(代替品テスト):これが最も確実な方法です。正常に通信できることがわかっている別のLANケーブルに交換してみて、通信が安定すれば、元のケーブルが原因だと断定できます。
ステップ2:専門的な確認(道具使用)
より詳しく調べたい場合は、専用の機器を使う方法もあります。
- LANケーブルテスター:ケーブルの両端をテスターに接続すると、8本の芯線がすべて正常につながっているか、断線や結線ミスがないかをチェックできます。数千円程度で購入可能で、内部断線を確実に見つけられます。
- PCのネットワーク診断:WindowsやMacのネットワーク設定画面で「リンク速度」を確認する方法もあります。1Gbps対応の機器同士を接続しているのに「100Mbps」と表示されている場合、ケーブルの異常が強く疑われます。
LANケーブル交換時期のサイン

では、具体的にどんなタイミングでLANケーブルの交換を検討すれば良いのでしょうか。主なサインをいくつか紹介します。
こんな症状が出たら交換のサインかも?
- 通信の不調が頻発する
- 理由もなくインターネットが切れることが増えた
- 以前より明らかにダウンロード速度が遅くなった
- 動画の読み込みが頻繁に止まるようになった
- 物理的な損傷を発見した
- ケーブルの被覆が破れている、ひび割れている
- コネクタの爪が折れていて、接続がぐらつく
- ペットに噛まれた跡や、家具で踏んだ跡がある
- ネットワーク環境をアップグレードした
- 高速な光回線(1Gbps超)に契約変更した
- Wi-Fi 6/6Eなど高性能なルーターに買い替えた
- NAS(ネットワークHDD)を導入した
- 設置から長期間(10年以上)が経過している
- 特に問題がなくても、見えない劣化が進んでいる可能性があります。トラブル予防の観点から、大掃除などのタイミングで交換を検討するのも良いでしょう。
特に、ネットワーク環境を新しくしたのに速度が改善されない場合、古いLANケーブルがボトルネックになっている可能性が高いですよ。
LANケーブルを交換するメリット
劣化したLANケーブルを新しいものに交換すると、たくさんのメリットがあります。数百円から千円程度の投資で、ネット環境が劇的に改善されることもありますよ。
通信速度の改善・安定化
これが最大のメリットですね。劣化による速度低下や接続断が解消され、契約している光回線やルーターが持つ本来の性能を最大限に引き出すことができます。ノイズ耐性も向上するので、通信エラーが減り、より安定した通信環境が手に入ります。
トラブル原因の切り分け
原因不明のネットワーク不調に悩んでいる場合、まず手軽で安価なLANケーブルを交換してみることで、問題が解決することがよくあります。ルーターの再設定やPCの調査など、時間と手間のかかる作業をせずに済むかもしれません。
将来性(フューチャープルーフ)
現在1Gbpsの環境だとしても、少し上位のカテゴリ(例: カテゴリ6A)のケーブルに交換しておくのもおすすめです。将来、10Gbpsの光回線にアップグレードした際に、ケーブルを買い替える手間が省けます。これを「フューチャープルーフ(将来の技術にも対応できるように備えること)」と言います。
精神的な安心感
「また接続が切れるかも…」という不安から解放されるのは、精神衛生上とても大きいメリットです。重要なビデオ会議や白熱したオンラインゲーム中に接続が切れる心配がなくなり、安心してインターネットを楽しめるようになります。
LANケーブルの選び方とカテゴリ

「さあ交換しよう!」と思っても、お店にはたくさんの種類のLANケーブルがあって迷ってしまいますよね。選ぶ際の重要なポイントは「カテゴリ」です。
カテゴリ(Category)とは?
LANケーブルの性能を表す規格のことです。通信速度と周波数(一度に送れる情報量)が定められており、数字が大きいほど高性能になります。
| カテゴリ | 最大通信速度 | 伝送帯域 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| Cat5e | 1Gbps | 100MHz | 少し前の主流。1Gbps回線なら使えるが、今から買うならCat6以上がおすすめ。 |
| Cat6 | 1Gbps | 250MHz | 現在の主流。価格と性能のバランスが良く、安定性も高い。迷ったらこれ。 |
| Cat6A | 10Gbps | 500MHz | 10Gbpsの高速回線に対応。将来性を見据えるなら最適。ケーブルは太く硬め。 |
| Cat7 | 10Gbps | 600MHz | ノイズ耐性が非常に高い。オーディオ用途や工場など特殊な環境向け。 |
| Cat8 | 40Gbps | 2000MHz | データセンターなどの業務用。一般家庭では完全にオーバースペック。 |
この他にも、ケーブルの形状(スタンダード、フラット、スリム)や構造(単線、より線)などがありますが、一般家庭でPCとルーターを繋ぐような用途であれば、柔らかくて取り回しのしやすい「より線」のケーブルを選んでおけばまず間違いないでしょう。
用途別おすすめLANケーブル
どのカテゴリを選べばいいか、あなたの使い方に合わせて具体的にアドバイスしますね。
-
- 一般的な家庭(光回線 最大1Gbps)
→ カテゴリ6 (Cat6) が最適です。価格も手頃で、1Gbpsの速度を安定して引き出せます。今あえてCat5eを選ぶ理由はあまりないかなと思います。
- 一般的な家庭(光回線 最大1Gbps)
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- 高速な光回線(最大10Gbps)を契約中、または将来アップグレードを考えている人
→ カテゴリ6A (Cat6A) を選びましょう。将来的な環境の変化にも対応でき、長く使えます。
- 高速な光回線(最大10Gbps)を契約中、または将来アップグレードを考えている人
-
- オンラインゲーマー、動画配信者
→ カテゴリ6A (Cat6A) または カテゴリ7 (Cat7) がおすすめです。通信の安定性が勝敗や配信品質に直結するため、ノイズ耐性が高い上位カテゴリを選ぶと安心感が違います。
- オンラインゲーマー、動画配信者
-
- 配線のしやすさを重視する人
→ フラットタイプやスリムタイプが便利です。カーペットの下やドアの隙間を通したい場合に重宝します。ただし、スタンダードタイプに比べてノイズ耐性が若干低いとされる点には注意してください。
- 配線のしやすさを重視する人
- 爪折れの経験がある、頻繁に抜き差しする人
→ 爪折れ防止カバー付きの製品を選びましょう。ちょっとしたことですが、ストレスが全然違いますよ。
LANケーブルを長持ちさせる方法

新しく買ったLANケーブル、せっかくなら長く大切に使いたいですよね。ちょっとした工夫で寿命を延ばすことができます。
長持ちさせるための7つのコツ
- 適切な長さのケーブルを選ぶ:長すぎず短すぎず、少し余裕のあるジャストサイズを選びましょう。
- 急な角度で曲げない:ケーブルは緩やかなカーブで配線するのが基本です。直角に折り曲げるのはNG。
- ケーブルを保護する:人が歩く場所は配線モールでカバーしたり、家具で踏まない場所に配線したりしましょう。
- 正しく抜き差しする:ケーブルを引っ張らず、必ずプラグ部分を持って抜き差しを徹底してください。
- きつく束ねすぎない:結束バンドで強く締めるとケーブルが圧迫されます。マジックテープ式のものがおすすめです。
- 屋外では必ず屋外用を使う:言うまでもありませんが、環境に合ったケーブルを選びましょう。
- 正しく保管する:使わない時は、8の字巻きなどで緩く巻いて保管すると癖がつきにくいです。
これらのポイントを意識するだけで、ケーブルへの負担を大きく減らすことができますよ。
法定耐用年数と減価償却
ここからは少し専門的な話になりますが、法人や個人事業主の方が経費でLANケーブルの配線工事を行った場合の会計上の扱いです。興味のある方だけ読んでみてください。
免責事項
ここでの情報はあくまで一般的な会計上の考え方です。実際の税務処理については、必ず税理士や管轄の税務署にご確認ください。
物理的な寿命とは別に、税法上、資産として何年かけて経費計上できるかという「法定耐用年数」が定められています。
LANケーブルの場合、その設置方法によって扱いが変わります。
- 消耗品費:PC1台に接続するような短いケーブルで、取得価額が10万円未満の場合は、多くの場合「消耗品費」として一括で経費にできます。
- 固定資産:オフィス全体に配線工事を行うような大規模な場合は、固定資産として減価償却(数年に分けて経費計上)の対象となります。
固定資産として計上する場合の法定耐用年数は、工事の内容によって異なりますが、一般的には「電話設備その他の通信機器」として10年、またはルーターなどの機器と一体とみなされ「LAN設備」として6年が適用されるケースが多いようです。
LANケーブルの正しい処分方法

古くなったLANケーブルを捨てる際にも、正しいルールがあります。不法投棄にならないよう、しっかり確認しておきましょう。
家庭ごみとして処分する場合
最も重要なのは、お住まいの自治体のルールに従うことです。自治体のホームページやごみ分別アプリなどで必ず確認してください。
一般的には、以下のように分類されることが多いです。
- 不燃ごみ(燃えないごみ):多くの自治体でこの区分に指定されています。
- 可燃ごみ(燃えるごみ):一部の自治体では可燃ごみとして扱われることもあります。
- 小型家電リサイクル:公共施設や家電量販店に設置された「小型家電リサイクルボックス」で回収している場合もあります。
法人(事業ごみ)として処分する場合
事業活動で使ったLANケーブルは「産業廃棄物」扱いとなり、家庭ごみとして捨てることは法律で禁じられています。
品目としては「金属くず」と「廃プラスチック類」の混合物に該当します。必ず、産業廃棄物処理業の許可を持つ専門業者に委託して、適切に処理してもらってください。
まとめ:LANケーブルの耐用年数を理解しよう
今回は、意外と奥が深いLANケーブルの耐用年数について、様々な角度から解説してきました。最後に、この記事の重要なポイントをまとめておきますね。
- LANケーブルの寿命には物理的なものと技術的なものがある
- 屋内通常環境での物理的な年数目安は20年以上と非常に長い
- 踏みつけや頻繁な抜き差しがある環境では数年で寿命を迎える
- 通信規格の進化により、物理的に問題なくても性能不足になることがある
- 劣化の症状には通信速度の低下や接続の切断、物理的な破損がある
- 速度が1Gbpsから100Mbpsに落ちるのは内部断線が原因のことが多い
- 劣化の主な原因は経年劣化、物理的損傷、不適切な取り扱い
- コネクタの爪折れは後付けパーツで補修できる場合がある
- 屋外で使う場合は必ず紫外線に強い屋外用ケーブルを選ぶこと
- 劣化の確認は、まず正常な別のケーブルに交換してみるのが一番確実
- 通信の不調や環境のアップグレードは交換時期のサイン
- ケーブル交換は速度改善やトラブル解決、将来性確保のメリットがある
- ケーブル選びはカテゴリが重要で、一般家庭ならCat6がバランス良好
- ゲーマーや10Gbps回線利用者はCat6A以上がおすすめ
- 適切な長さの選択や正しい取り扱いでケーブルは長持ちさせられる
- 処分方法は自治体のルールを確認し、事業ごみは専門業者に委託すること