Keychronのキーボードを手に入れて、自分好みの使い心地を追求したいけれど、「キーマップの変更方法がよくわからない…」と悩んでいませんか?結論から言うと、Keychronのキーマップ変更は「Via」というツールを使えば、驚くほど簡単に行えます。この記事では、QMK/VIAの基本から、専用アプリ「Keychron Launcher」の使い方、MacやWindowsでの具体的な設定方法まで、初心者の方にも分かりやすく解説します。
「CapsLockを別のキーにしたい」「JIS配列やUS配列でIMEの切り替えをスムーズにしたい」といった、よくあるお悩みも解決できます。さらに、レイヤー設定や便利なマクロ、Mod-Tap(MT)といった応用的なテクニックも紹介。もし設定が反映されない、できないといったトラブルが起きても、このリセット方法や対処法を読めば安心です。K2 ProやK7 Maxなど、お使いの対応モデルに合わせて、あなただけの最強のキーボードを作り上げましょう。
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Viaを使った基本的なキーマップの変更方法
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Mac・WindowsやJIS・US配列に合わせた具体的な設定手順
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IME切り替えやマクロ登録など、作業効率が上がる応用テクニック
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設定が反映されない時のトラブル対処法や対応モデルの情報
キークロンのキーマップ変更、基本の方法
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Viaでキーマップは自由に変更可能
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QMK/VIAとは?キーマップ変更の基礎知識
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Keychron Launcherの基本的な使い方
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変更を保存するJSONファイルのダウンロード方法
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キーマップ変更ができない・反映されない時の対処法
Viaでキーマップは自由に変更可能

Keychronのキーボードのキーマップを変更したいなら、結論として「Via」というアプリケーションを使うのが最も簡単で確実な方法です。Viaは、キーボードのどのキーにどんな機能を割り当てるかを、画面上でポチポチと直感的に設定できるツールです。プログラミングのような専門的な知識は一切必要ありません。
Viaの最大の魅力は、設定がリアルタイムでキーボード本体に反映される点です。例えば、「A」のキーを「B」に変更すると、その瞬間にキーボードの「A」を押すと「B」が入力されるようになります。設定を試しながら、自分にとって最適な配置をすぐに見つけられるのは嬉しいポイントです。
以前はRemapという類似のツールもありましたが、現在の多くのKeychron製品はViaに対応しています。Webブラウザ上で動作する「Keychron Launcher」という公式ツールも提供されており、ソフトウェアをインストールする手間なく、すぐにキーマップのカスタマイズを始められます。この手軽さと機能性の高さが、Viaが多くのユーザーに支持されている理由です。
QMK/VIAとは?キーマップ変更の基礎知識

キーマップの変更方法を調べていると、「QMK」や「VIA」といった言葉を目にすることがあるかもしれません。これらはキーボードを自由にカスタマイズするための重要な要素なので、簡単に理解しておきましょう。
まず「QMKファームウェア」とは、キーボードの動作を制御している、いわばキーボードの「脳」のようなものです。このQMKに対応したキーボードは、キーの配置をソフトウェアレベルで自由に変更できる柔軟性を持っています。
そして「VIA」は、そのQMKファームウェアが搭載されたキーボードのキーマップを、グラフィカルで分かりやすいインターフェース(GUI)で設定するための「設定アプリ」です。例えるなら、QMKが「脳」で、VIAは「脳に指示を送るための対話ツール」と考えるとイメージしやすいかもしれません。
この仕組みの大きなメリットは、設定がキーボード本体に直接保存される点です。Macで設定したキーマップを、そのままWindowsのPCに接続しても維持されます。PCごとに設定ツール(例えばKarabiner-Elementsなど)を入れる必要がなく、どんな環境でも自分のお気に入りのキー配列を使えるのは、非常に便利です。
Keychron Launcherの基本的な使い方

Keychronのキーマップ変更は、Webブラウザで使える「Keychron Launcher」で行うのが一番手軽です。ここでは、その基本的な使い方をステップごとに見ていきましょう。
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準備:まず、お使いのKeychronキーボードをPCにUSBケーブルで有線接続します。無線接続では設定できないため、この点は注意が必要です。次に、Google ChromeやMicrosoft Edgeなどの対応ブラウザでKeychron Launcherの公式サイトにアクセスします。
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接続:サイトを開くと、左下に「接続+」というボタンがあります。これをクリックすると、接続されているキーボードを認識させるためのポップアップが表示されるので、お使いのKeychronモデルを選択して「接続」を許可してください。
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キーの選択と変更:正常に接続されると、画面にキーボードのレイアウトが表示されます。変更したいキーをマウスでクリックすると、そのキーが赤枠で囲われます。次に、画面下部にある「基本」「メディア」「マクロ」などのタブから、割り当てたい新しい機能のキーを選択します。たったこれだけで、キーマップの変更は完了です。設定は即座にキーボードに反映されます。
最初は戸惑うかもしれませんが、操作は非常にシンプルなので、いろいろ試しながら自分だけの配置を見つけてみてください。
変更を保存するJSONファイルのダウンロード方法

VIAで設定したキーマップは、JSON(ジェイソン)ファイルという形式で保存し、バックアップしておくことが可能です。JSONファイルとは、設定情報をテキストで記述したデータのことです。これを活用すれば、万が一キーボードを初期化してしまったり、新しいキーボードに買い替えたりした際に、一瞬で元の設定を復元できます。
設定の保存は、VIAの画面上部にある「SAVE + LOAD」タブ(バージョンによってはアイコンの場合も)から行います。「Save」ボタンを押すと、現在のキーマップ設定がJSONファイルとしてPCにダウンロードされます。
逆に、保存した設定を読み込む場合は「Load」ボタンをクリックし、以前に保存したJSONファイルを選択するだけです。
また、Keychronの公式サイトでは、各キーボードモデルのデフォルト(初期設定)のJSONファイルが提供されています。もし自分で設定を色々といじりすぎて元に戻したくなった場合は、公式サイトの製品ページからこのデフォルトファイルをダウンロードし、VIAで読み込むことで、工場出荷時の状態にリセットすることも可能です。せっかく作った設定を失わないためにも、定期的なバックアップをおすすめします。
キーマップ変更ができない・反映されない時の対処法

「VIAでキーボードが認識されない」「設定したはずなのにキーマップが変更されない」といったトラブルは、いくつかの簡単なチェックで解決することが多いです。慌てずに以下の点を確認してみましょう。
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有線接続を確認する:最も基本的なことですが、キーマップの変更はUSBケーブルでの有線接続が必須です。Bluetoothなどの無線接続では設定できません。
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キーボードのモードを確認する:Keychronキーボードの側面には、接続モードを切り替えるスイッチがあります。このスイッチが「Cable」または「USB」モードになっているか確認してください。
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対応ブラウザを使用する:Keychron Launcherは、最新版のGoogle Chrome、Microsoft Edge、Operaブラウザでの使用が推奨されています。SafariやFirefoxでは正常に動作しない場合があります。
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正しいプロファイルを読み込む:キーボードが自動で認識されない場合、手動でプロファイル(JSONファイル)を読み込む必要があります。このとき、自分のキーボードのモデル(例: K3 Pro JIS配列)と完全に一致するJSONファイルを選択しているか、再度確認しましょう。ファイルが違うと正しく動作しません。
これらの点を確認しても解決しない場合は、一度ブラウザのキャッシュをクリアしたり、PCを再起動したりするとうまくいくこともあります。
キークロンのキーマップ変更、応用的な設定
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MacとWindowsでレイヤーを使い分ける設定
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IMEのオン/オフをワンタッチで切り替える設定
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便利なMod-Tap(MT)やマクロの設定方法
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キーマップのリセット方法とファームウェア更新
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キーマップ変更に対応しているモデル一覧
MacとWindowsでレイヤーを使い分ける設定

Keychronキーボードの便利な機能の一つに「レイヤー」があります。レイヤーとは、キーボードの盤面を用途に応じて切り替える機能のことです。1枚のキーボードの上に、透明な設定シートを何枚も重ねて、シーンごとに使い分けるようなイメージです。
多くのKeychronキーボードには、デフォルトで4つのレイヤーが用意されています。
キーボード側面にあるOS切り替えスイッチを「Mac」にするとレイヤー0と1が、「Windows」にするとレイヤー2と3が有効になります。これにより、例えばMacでは「Command」キーとして、Windowsでは「Ctrl」キーとして同じキーを自然に使うことができます。
VIAを使えば、これらの各レイヤーを自由にカスタマイズ可能です。例えば、「レイヤー1(MacでFnを押した時)」の「F1」キーに「画面を暗くする」を割り当てたり、「レイヤー3(WindowsでFnを押した時)」の特定のキーにショートカットを仕込んだりできます。このようにレイヤー機能を使いこなすことで、キーの数が少ないコンパクトなキーボードでも、フルサイズキーボード以上の操作性を実現できます。
IMEのオン/オフをワンタッチで切り替える設定

特にUS(英語)配列のKeychronキーボードを日本語環境で使う際に、多くの人が悩むのが日本語入力(IME)のオン/オフ切り替えです。Macでは「control + space」、Windowsでは「Alt + `」が標準ですが、もっと直感的に操作したいと感じる方も多いでしょう。
VIAを使えば、このIME切り替えを特定のキーに割り当てることが可能です。スペースキーの左右にある「Alt」や「Command」キーを、日本語配列の「英数」「かな」キーのように動作させることができます。
設定には、少し特殊なキーコードを使用します。VIAのキー選択画面で「ANY」キーを選び、表示されるテキストボックスに以下のキーコードを入力します。
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KC_LANG2
またはKC_HAEN
:IMEをオン(かな)にする -
KC_LANG1
またはKC_HANJ
:IMEをオフ(英数)にする
例えば、左のCommandキーを「英数」、右のCommandキーを「かな」にしたい場合、それぞれのキーに上記のコードを割り当てます。これで、まるでJIS(日本語)配列キーボードのようなスムーズな言語切り替えが実現できます。この設定は、作業効率を大きく向上させるおすすめのカスタマイズの一つです。
便利なMod-Tap(MT)やマクロの設定方法

VIAを使えば、さらに高度なカスタマイズも可能です。その代表的な機能が「Mod-Tap(MT)」と「マクロ」です。
Mod-Tapは、1つのキーに「短く押した場合」と「長く押した場合(他のキーと同時押し)」で異なる機能を割り当てる機能です。例えば、MT(MOD_LCTL, KC_ESC)
という設定をCapsLockキーに行うと、以下のようになります。
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短く押す(タップ):Escapeキーとして機能する
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長く押す(ホールド):左Controlキーとして機能する
これにより、使用頻度の低いCapsLockキーを、EscとCtrlという二つの便利なキーとして活用できます。キーの数が限られるコンパクトキーボードでは特に有効なテクニックです。
一方、マクロは一連のキー入力を記録し、1つのキーで再現する機能です。例えば、「Shift + Command + 4」(Macのスクリーンショット)のような複雑なショートカットを、マクロとして1つのキーに登録しておけば、いつでもワンタッチで呼び出せます。コピー&ペーストや、よく使う定型文の入力など、アイデア次第で様々な作業を自動化できます。
キーマップのリセット方法とファームウェア更新

キーマップを色々とカスタマイズしているうちに、「設定がおかしくなってしまった」「元の状態に戻したい」という状況になることもあるかもしれません。そんな時は、キーボードをリセット(初期化)することができます。
リセット方法はモデルによって異なりますが、一般的には「fn + J + Z」を数秒間長押しするなど、特定のキーの組み合わせで行います。キーボードのバックライトが点滅すればリセット完了の合図です。詳しい方法は、お使いのモデルの取扱説明書や公式サイトで確認してください。リセットするとVIAで設定した内容はすべて消えてしまうので、実行する前には前述のJSONファイルでバックアップを取っておくことを強く推奨します。
また、「ファームウェア」の更新という選択肢もあります。ファームウェアはキーボードを制御する基本ソフトのことで、これを最新版にすることで不具合が解消されたり、機能が追加されたりすることがあります。ファームウェアの更新はKeychron Launcherからも可能ですが、基本的には動作に問題がなければ無理に行う必要はありません。より高度な設定(TAPPING_TERMの調整など)をしたい上級者向けの作業と捉えておきましょう。
キーマップ変更に対応しているモデル一覧

KeychronのすべてのキーボードがQMK/VIAによるキーマップ変更に対応しているわけではありません。この便利な機能を使いたい場合は、購入前に製品が対応しているかしっかりと確認することが重要です。
現在、QMK/VIAに対応しているのは、主に以下のシリーズです。
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Qシリーズ:Q1, Q2, Q6 Proなど、ガスケットマウントを採用したプレミアムモデル。ほぼ全機種が対応しています。
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Vシリーズ:Qシリーズの入門版と位置づけられるシリーズ。こちらも多くのモデルが対応しています。
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K Proシリーズ:既存のKシリーズ(K2, K3, K8など)にQMK/VIA対応を加えたアップグレード版。「Pro」が付くモデルが目印です。
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その他の新しいモデル:B1 Proなど、最近発売されたモデルも対応していることが多いです。
自分の持っている、あるいは購入を検討しているキーボードが対応しているかどうかの確実な情報は、Keychronの公式サイトの製品ページで確認できます。製品仕様の欄に「QMK/VIA Support」といった記載があれば、この記事で紹介した自由なキーマップカスタマイズを楽しむことができます。
キークロンのキーマップ変更で生産性を上げるポイント
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Keychronのキーマップ変更は「Via」というツールで行うのが結論
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Viaは専門知識不要で、直感的にキー配置を変更できる
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設定はキーボード本体に保存されるため、PCを変えても設定は維持される
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QMKはキーボードの動作を制御する「脳」、Viaはその設定ツールである
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Webブラウザで使える「Keychron Launcher」が手軽で便利
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設定変更時はUSBケーブルでの有線接続が必須
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設定内容はJSONファイルとしてバックアップ保存が可能
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公式サイトからモデル別の初期設定JSONファイルをダウンロードできる
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設定が反映されない時は、有線接続やブラウザ、プロファイルを確認すること
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「レイヤー」機能でMac用とWindows用のキーマップを切り替えられる
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US配列のIME切り替えは「KC_LANG」などの特殊キーコードで設定可能
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「Mod-Tap」を使えば、1つのキーに単押しと長押しの2つの機能を割り当てられる
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「マクロ」機能で、複雑なショートカットや定型文入力を自動化できる
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設定を初期化したい場合は、キーの組み合わせでリセットが可能
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QMK/VIA対応は「Qシリーズ」「Vシリーズ」「K Proシリーズ」などが中心である