「自作PCはやめとけ」という言葉をネットで見かけて、不安になっていませんか?「自分だけのこだわりのPCが欲しいけど、後悔するかも…」「メリットも聞くけど、デメリットの方が大きいんじゃないか?」と悩んでいるかもしれませんね。確かに、自作PCには専門知識が必要で、初心者にはハードルが高い面もあります。よくある失敗でパーツを壊してしまったり、トラブルが起きたりする可能性もゼロではありません。「結局、BTOパソコンより安いのか?」「組み立てたPCは何年使えるのか?」など、予算や寿命に関する疑問も尽きないでしょう。この記事では、そんなあなたの不安や疑問を解消するために、自作PCが向いている人・向いていない人の特徴から、時代遅れとまで言われる理由、BTOで十分なケースまで、インプットした客観的な情報をもとに、分かりやすく解説していきます。
- なぜ「自作PCはやめとけ」と言われるのか、その本当の理由
- 自作PCのメリットと、後悔につながるデメリットのすべて
- あなたが自作PCに向いているか、BTOを選ぶべきかを見極める方法
- 失敗を避け、納得のいくPCを手に入れるための具体的な知識
なぜ「自作PCやめとけ」と言われるのか?
- 自作PCの後悔とデメリットは?時代遅れなの?
- 自作PCの予算って?BTOより本当に安いの?
- 初心者がやりがちなよくある失敗と対策
- 故障時の保証がない?トラブル対処法
- 組み立てより大変?OSインストールと設定
自作PCの後悔とデメリットは?時代遅れなの?

自作PCに挑戦して「やめておけばよかった…」と後悔する可能性は、残念ながらあります。その最大の理由は、パーツ選びの段階から、組み立て、そしてトラブルが起きた際の対応まで、すべてが「自己責任」という重い十字架を背負うことになる点です。例えば、PCの心臓部であるCPUと、それを載せる基板のマザーボードには相性があり、間違った組み合わせのパーツを選んでしまうと、そもそも組み立てられなかったり、電源が入らなかったりします。こうした専門知識を、膨大なネット情報の中から自分で探し出し、正しく理解する手間と時間が大きな負担になることがあります。
また、BTOパソコンが普及し、品質も向上した現代において、「自作PCは時代遅れ」という声もあながち間違いではありません。かつてBTOパソコンは高価で選択肢も少なく、安く高性能なPCを手に入れる手段として自作が優位でした。しかし今は状況が大きく異なります。BTOメーカーはパーツを何万、何十万という単位で仕入れることでコストを徹底的に抑えており、個人が一つずつパーツを買い集めるよりも安く済むケースも珍しくなくなりました。組み立ての手間やトラブルのリスクを考えたとき、「数万円の追加料金で、プロによる組み立てと手厚い保証が手に入るなら安いものだ」と考える人が増えたのです。コストメリットだけを追求するなら、自作の魅力は薄れていると言えるかもしれません。
自作PCの予算って?BTOより本当に安いの?

「自作PCは安い」という神話は、今や必ずしも真実ではありません。結論から言うと、同じような性能のパーツで構成した場合、BTOパソコンの方が安く仕上がることも頻繁にあります。そのカラクリは、BTOメーカーがPCパーツを製造元から直接、大量に一括で仕入れているためです。このスケールメリットにより、個人が小売店で購入する価格よりもはるかに安価にパーツを調達できるのです。特に各メーカーが実施するセールやキャンペーン期間中のBTOパソコンは、個人でパーツを集める価格を明らかに下回ることもあります。
あるBTOパソコンの価格を、全く同じ構成のパーツを個人で買った場合の合計金額と比較した調査では、BTOの方が1割ほど高いだけ、という結果が出ています。仮に20万円のPCであれば、その差額は2万円です。この2万円に、プロによる丁寧な組み立て工賃、動作保証、パーツを個別に買うとかかる送料、そしてPC全体へのサポート費用が含まれていると考えれば、むしろ妥当か、人によっては破格と感じるでしょう。また、自作の場合はCPUクーラーやケースファン、組み立てに必要なドライバーセットや静電気防止手袋といった備品も自分で用意する必要があり、こうした「隠れたコスト」も予算に含めなくてはなりません。見た目にこだわって光るパーツを選んだり、高性能な冷却装置を導入したりすれば、予算はさらに膨らんでいきます。
初心者がやりがちなよくある失敗と対策

自作PCに挑戦する初心者が直面しがちな失敗は、ある程度パターン化されています。しかし、事前に対策を知っておくことで、その多くは回避可能です。
- 物理的なパーツの破損:CPUのピン曲げやメモリの無理な差し込みなど、力を入れすぎて高価な部品を壊してしまう。
- 静電気による故障:人間の体に溜まった静電気がパーツに流れることで、電子回路がショートし、故障する。
- 配線のミス:電源ケーブルやケースのスイッチ類の配線を間違え、PCが起動しない、または不安定になる。
- 部品の付け忘れ:マザーボードをケースに取り付ける前に「I/Oパネル」を付け忘れるなど、後から気づくとすべてやり直しになるミス。
- 相性問題の見落とし:購入したパーツ同士の規格が合わず、組み立てられない、または正常に動作しない。
これらの失敗の中で最も多く、そして精神的・金銭的ダメージが大きいのが、パーツの取り扱いミスによる物理的な破損です。例えば、CPUの裏側には細かいピンが何百本も並んでおり、これをマザーボードのソケットに落としてしまってピンを曲げてしまう「ピン折れ」は、最も代表的な失敗例です。一度曲がると修復は非常に難しく、数万円のパーツを買い直す羽目になります。対策として最も重要なのは、作業前にしっかり情報収集すること。今はYouTubeなどでプロが組み立てる手順を動画で詳しく見ることができます。どのような点に注意すべきか、どの作業が難しいのかを事前に把握しておくだけで、失敗のリスクは大幅に減らせるでしょう。また、静電気対策として専用の手袋をしたり、金属に触れて体を放電させたりするのも基本中の基本です。I/Oパネルの付け忘れのようなケアレスミスを防ぐには、作業前にマニュアルを熟読し、手順を頭に入れておくことが効果的です。
故障時の保証がない?トラブル対処法

自作PCの最大のデメリットであり、多くの人が「やめとけ」と言う最大の理由が、「PC全体に対するメーカー保証が存在しない」という点です。BTOやメーカー製のPCであれば、起動しない、動作が不安定といった不具合が起きた際に、PC本体を「一つの製品」として保証してもらえます。サポートセンターに連絡すれば、専門スタッフが原因の特定から修理まで責任を持って対応してくれます。
しかし、自作PCの場合は、このプロセスを全て自分で行わなくてはなりません。自分でどのパーツが故障の原因なのかを突き止める「原因の切り分け」から始める必要があります。例えば、「突然PCの電源が落ちる」というトラブル一つをとっても、電源ユニットの容量不足、CPUの熱暴走、メモリの不具合、マザーボードの故障など、考えられる原因は無数にあります。これを特定するために、予備のパーツと一つずつ交換してみたり、専用のチェックソフトを動かしたりと、地道で専門知識を要する検証作業が求められます。この「トラブルシューティング地獄」にハマってしまうと、解決までに何日も、あるいは何週間もかかってしまうこともあります。こうした手間と専門知識が求められる点が、自作PCのハードルを高くしている大きな要因なのです。
組み立てより大変?OSインストールと設定

自作PCは、プラモデルのようにパーツを組み上げて完成、というわけにはいきません。実は、物理的な組み立て作業そのものよりも、その後のOS(オペレーティングシステム)のインストールや各種設定でつまずき、挫折してしまう人が意外と多いのです。OSとは、WindowsなどのPCを動かすための基本ソフトのことで、これを自分でインストールする必要があります。
インストール作業自体は画面の指示に従えば進められますが、問題はその後に発生しがちです。代表的なのが、Windows Updateのエラーです。OSを最新の状態に保つためのアップデートが、なぜか特定の番号で失敗し、先に進めなくなることがあります。ネットで解決策を調べても、専門用語ばかりで理解できない、ということも。また、PCの性能を最大限に引き出すためには、マザーボードやグラフィックボードといった各パーツの性能を引き出すための専用ソフト「ドライバ」を個別にインストールしなくてはなりません。特にマザーボードの「チップセットドライバ」を入れ忘れると、PC全体の動作が不安定になるなど、後々のトラブルの原因になります。組み立てが無事に終わった安堵感も束の間、このソフト的な設定の沼で何時間も格闘するというのは、自作PCでは避けて通れない道の一つです。
「自作PCやめとけ」は嘘?自分に合うPCの選び方
- 自作PC最大のメリット!自由なカスタマイズ性
- 自作PCは何年使える?寿命とメンテナンス方法
- ずばり!自作PCに向いている人の特徴
- 向いていない人はBTOで十分な3つの理由
- パーツ選びで失敗しないためのポイント
- BTOから始めるのも賢い選択
自作PC最大のメリット!自由なカスタマイズ性

「自作PCやめとけ」というネガティブな意見がある一方で、それを乗り越えてでも挑戦する人を惹きつけてやまない、強力なメリットが存在します。それは、世界に一台しかない、自分だけの理想のPCを創造できる「圧倒的なカスタマイズ性」です。メーカー製PCやBTOパソコンでは、良くも悪くも用意された選択肢の中からしかパーツを選べませんが、自作ならCPU、グラフィックボード、メモリ、ストレージはもちろん、PCケースのデザインや色、光るファン、ケーブルの色に至るまで、文字通りすべてを自由に選べます。
例えば、「ゲーム性能は最高レベルにしたいけど、動画編集はしないからCPUはそこそこの性能で良い」といった、自分の使い方に合わせたピンポイントな性能の調整が可能です。これにより、不要な部分にお金をかけることなく、こだわりたい部分に予算を集中させることができます。また、音楽制作用にファンを極力減らして静音性に特化したPCや、持ち運びを重視した小型PC、あるいは内部の配管までデザインする本格的な水冷PCなど、ニッチな要望を叶えられるのも自作ならでは。「性能」だけでなく、部屋のインテリアのように「見た目」も追求できるのは、自作PCが提供する最高の楽しみであり、最大のメリットと言えるでしょう。
自作PCは何年使える?寿命とメンテナンス方法

自作PCは、適切なメンテナンスとパーツの交換を行うことで、BTOやメーカー製PCよりも非常に長く使い続けることが可能です。メーカー製PCの場合、CPUやグラフィックボードの性能が時代の要求に追いつかなくなると、PC本体を丸ごと買い替えるしか選択肢がないことがほとんどです。しかし自作PCなら、性能が物足りなくなってきたパーツだけを新しいものに交換する「アップグレード」が容易に行えます。
例えば、「3年前に組んだけど、最新のゲームを最高画質で遊ぶには少し重くなってきたな」と感じたとします。この場合、ボトルネックとなっているグラフィックボードだけを最新モデルに交換すれば、他のパーツはそのままに、再び快適なゲーム環境を取り戻すことができます。このように、PC全体の寿命で考えるのではなく、パーツごとの寿命や性能で考えられるのが自作PCの強みです。メモリが足りなくなれば増設し、ストレージ容量が欲しくなればSSDやHDDを追加できます。定期的にケースを開けてホコリを掃除するといったメンテナンスを欠かさず行い、時代に合わせてパーツを更新していくことで、PCを常に自分にとって最適な状態に保ち、長く愛用し続けることができるのです。
ずばり!自作PCに向いている人の特徴

自作PCには、性格や価値観によって、明らかに向いている人とそうでない人がいます。まず最も重要なのは、「PCそのものに強い興味があり、その仕組みを学ぶ過程を楽しめる」ことです。自作PCは単なる道具ではなく、車やバイクのチューニング、プラモデル製作にも通じる「大人の趣味」です。パーツの性能を比較検討したり、組み立ての過程で起きるトラブルをパズルのように解き明かしたりすること自体に、楽しみや達成感を見出せる人は間違いなく向いています。
次に、「リスクを理解した上で、慎重に作業を進められる」人も適性があります。前述の通り、自作PCにはパーツ破損などのリスクが伴います。「多分こうだろう」と安易に作業せず、マニュアルをしっかり読んだり、事前に動画で手順を何度も確認したりと、石橋を叩いて渡るような丁寧さが求められます。また、「BTOでは実現できない明確なこだわりがある」人も自作PC向きです。「このメーカーのパーツで白一色に統一したい」「静音性にとことんこだわりたい」といった強い目的意識がある場合、自作はそれを叶える唯一の手段となります。
向いていない人はBTOで十分な3つの理由

一方で、「自作の魅力はわかるけど、自分には合わないかも」と感じる人もいるでしょう。もしあなたがPCを純粋に「ゲームや作業を快適に行うための道具」と捉えており、その中身や仕組みに全く興味が持てないのであれば、無理に自作に挑戦する必要はありません。そうした人には、BTOパソコンを選ぶ方がはるかに合理的で、後悔のない選択となります。その理由は大きく3つあります。
1つ目は「圧倒的に手厚い保証とサポート」です。BTOパソコンにはPC全体の動作保証が付いており、万が一トラブルが起きても電話やメール一本でサポートを受けられます。原因の特定から修理までプロに丸投げできる安心感は、何物にも代えがたい最大のメリットです。
2つ目は「貴重な時間と手間の節約」です。パーツ選びや組み立て、トラブルシューティングに費やすであろう膨大な時間を、本来の目的であるゲームや仕事、他の趣味に充てることができます。「時は金なり」と考える多忙な人にとって、これは非常に大きな利点と言えるでしょう。
3.つ目は「納得できる妥当な価格」です。前述の通り、BTOパソコンは必ずしも自作より高いわけではなく、むしろ割安なことさえあります。プロの組み立て技術と手厚い保証に対する「保険料」と考えれば、その価格設定は非常に合理的です。
パーツ選びで失敗しないためのポイント

自作PCの成功は、パーツ選びの段階で8割が決まると言っても過言ではありません。ここで失敗しないための最も重要なポイントは、「パーツ同士の互換性(相性)を徹底的に確認する」ことです。特に注意すべきなのが、CPUとマザーボードの組み合わせです。CPUには「世代」(例: Intel第14世代)や「ソケット形状」(例: LGA1700)といった規格があり、マザーボード側がそれに対応していないと物理的に取り付けることすらできません。同様に、メモリにもDDR4とDDR5といった世代間の互換性がないため、マザーボードがどちらに対応しているかを必ず確認する必要があります。
次に重要なのが、PCケースと各パーツの物理的なサイズです。大型で高性能なグラフィックボードを選んだのに、コンパクトなPCケースを選んでしまい、物理的に収まらなかった、というのもよくある失敗です。グラフィックボードの長さや、CPUクーラーの高さがケースの仕様内に収まるかを確認しましょう。さらに、各パーツが消費する電力の合計を計算し、それに見合った容量の電源ユニットを選ぶことも欠かせません。ネット上の「電源容量計算サイト」などを活用し、少し余裕を持たせた容量の製品を選ぶのがセオリーです。これらの互換性を一つ一つ、まるで間違い探しのように確認していく地道な作業が、失敗しないための確実な道筋となります。
BTOから始めるのも賢い選択

「自作PCにはすごく興味があるけど、いきなり全てのパーツを自分で選んで、ゼロから組み立てるのは不安…」と感じる人には、まずBTOパソコンを購入し、そこから少しずつパーツを交換していく「ステップアップ方式」が非常におすすめです。このやり方なら、最初はプロが完璧に組み立て、動作を保証した状態でPCを使い始めることができます。そして、使っていくうちに「もう少しメモリが欲しいな」「最新のゲームを最高設定で動かしたいからグラフィックボードを交換してみよう」と思ったタイミングで、簡単なパーツ交換から自作の世界に安全に足を踏み入れることができます。
メモリの増設やケースファンの交換は、自作の中でも特に難易度が低い作業です。こうした簡単な作業から慣れていくことで、PC内部の構造への理解が自然と深まり、自信もついてきます。最終的にCPUやマザーボードといった主要パーツの交換まで自分でできるようになれば、それはもう立派な自作ユーザーです。最初にBTOというプロが作った「完璧な教科書」があることで、失敗のリスクを大幅に減らしながら、安全に知識とスキルを身につけることが可能になります。いきなり大海原に漕ぎ出すのではなく、まずは安全な港で船の操縦を覚えるような、非常に賢い選択肢と言えるでしょう。
「自作PC やめとけ」の真意と後悔しない選択
- 「自作PCやめとけ」は、手間・時間・リスクを負う覚悟がない人への、経験者からの親切な警告である
- 最大のデメリットは、トラブル時に原因究明から修理まで全て自己責任という重責を負う点
- パーツの物理破損や相性問題など、初心者が陥りやすい典型的な失敗パターンが存在する
- PC全体の保証はなく、適用されるのはあくまでパーツ個別の保証のみ
- コスト面では、BTOメーカーのセール品の方が安くなることも多く、「自作=安い」は過去の常識
- 組み立て作業以上に、OSやドライバのインストールといったソフトウェア設定が難関になることも
- 一方、自作最大のメリットは、性能も見た目も追求できる、唯一無二の究極のカスタマイズ性
- 自分の用途に完璧に合わせ、必要なパーツにだけ予算を集中できる合理性がある
- パーツ交換によるアップグレードが容易なため、結果的に長く愛用できる可能性がある
- PCの仕組みを学ぶことや、トラブル解決の過程そのものを楽しめる人は自作に向いている
- 「このパーツを使いたい」という明確なこだわりがあるなら、自作はそれを叶える最良の手段
- PCに興味がなく、時間と手間をかけたくないなら、迷わずBTOを選ぶのが合理的
- BTOは手厚い保証とサポートが魅力で、精神的な安心感が得られる
- パーツ選びは、CPU・マザーボード・メモリの互換性確認が全ての基本
- いきなり全てを自作するのが不安なら、BTOパソコンのパーツ交換から始めるのが賢い第一歩