最高の打鍵感をどこでも味わいたい、そんな思いから「HHKBの持ち運び」を考える方は多いでしょう。しかし、いざ持ち運ぶとなると「HHKBは意外と重いのでは?」「高価なキーボードだから故障の原因になったり、傷が付いたりしないか心配…」といった不安がよぎりますよね。
持ち運びにはキーボードケースが必須ですが、ソフトケースやハードケース、公式の純正ケースなど種類も多く、評判も気になるところ。リュックに入れて運ぶのが良いのか、はたまた100均グッズで安く済ませる方法はないか、パームレストの持ち運びはどうするかなど、悩みは尽きません。
この記事では、そんなHHKBの持ち運びに関するあらゆる疑問や不安を解消し、あなたの大切なHHKBを安全かつ快適に持ち運ぶための具体的な方法や、傷を防止し保護するための知識を詳しく解説していきます。
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HHKBを持ち運ぶ際のメリットとデメリット
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故障や傷から守るための具体的な保護方法
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公式品から100均グッズまで、ケース選びのポイント
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持ち運びをより快適にする便利なアクセサリーや裏技
HHKBの持ち運びで知っておくべき注意点
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HHKBは意外と重い?持ち運びの注意点
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故障の主な原因は?傷防止と保護の方法
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持ち運ぶならワイヤレスモデルがおすすめ
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万が一の故障!修理サポートはどうなってる?
HHKBは意外と重い?持ち運びの注意点

HHKBを持ち運ぼうと考えたとき、まず知っておきたいのがその「重さ」です。コンパクトな見た目から軽く思われがちですが、実際にはずっしりとした重量感があります。
理由として、HHKBの代表的なモデルである「Professional HYBRID Type-S」は、本体だけで約540g。これは500mlのペットボトル飲料よりも少し重い計算になります。さらに、動力源である単三電池2本(約50g)を加えると、合計で約590gにもなるのです。
具体例を挙げると、一般的な13インチのノートPCが約1.2kgだとすると、HHKBを一緒に持ち運ぶだけで総重量は約1.8kg近くになります。これに加えて、ACアダプターやマウス、パームレストなどをリュックに入れれば、2kgを超えることも珍しくありません。
毎日これを持ち運ぶとなると、肩や腰への負担は決して無視できないレベルになります。HHKBの持ち運びは、単に「カバンに入れる」という手軽なものではなく、「少し重い精密機器を運ぶ」という覚悟が必要になることを覚えておきましょう。
故障の主な原因は?傷防止と保護の方法

高価なHHKBを持ち運ぶ上で、最も避けたいのが故障や傷です。故障の主な原因は「衝撃」と「液体」であり、これらをいかに防ぐかが重要になります。
まず、衝撃については、持ち運び中の振動や、カバンの中で他の荷物とぶつかることで発生します。HHKBは精密機器のため、強い衝撃が加わると内部の基盤が損傷したり、キーが反応しなくなったりする恐れがあるのです。対策として、HHKBを持ち運ぶ際は必ずクッション性の高い専用ケースに入れるようにしましょう。そして、リュックやカバンの中では、他の荷物の下敷きにならないよう「必ず一番上」に置くのが鉄則です。
次に、液体による故障です。経験談として、キーボードの近くに置いていたコーヒーをこぼしてしまい、特定のキーが反応しなくなったという事例があります。一度内部に液体が侵入すると、基盤が腐食して修理が困難になることもあるため、飲み物とは分けて収納することが賢明です。
傷の防止についても、ケースに入れることが最も効果的です。特にキーキャップは傷が付きやすいため、むき出しの状態でカバンに入れるのは絶対に避けましょう。大切なHHKBを長く使い続けるためには、こうした日々の丁寧な扱いが不可欠です。
持ち運ぶならワイヤレスモデルがおすすめ

HHKBの持ち運びを考えるなら、接続方式はワイヤレス(Bluetooth)に対応した「HYBRID」モデルが圧倒的におすすめです。その理由は、ケーブルの煩わしさから解放され、作業の自由度が格段に向上するからです。
有線モデルの場合、PCと接続するために必ずUSBケーブルを持ち運ぶ必要があります。カフェの狭いテーブルの上でケーブルがごちゃごちゃしたり、いざ使おうと思った時にケーブルを忘れてしまったり、といった経験をしたことがある人もいるかもしれません。
一方、HYBRIDモデルであれば、一度ペアリング設定を済ませてしまえば、あとは電源を入れるだけですぐにタイピングを開始できます。最大4台のデバイスを登録できるため、会社のPC、自宅のPC、タブレット、スマートフォンなどをボタン一つで切り替えて使うことも可能です。
例えば、外出先ではiPadとHHKBだけを持って身軽に作業し、オフィスに戻ったらデスクのPCに接続するといった、フットワークの軽い働き方が実現します。USB Type-Cポートも搭載しているので、万が一電池が切れても有線接続や充電が可能です。このように、ワイヤレスの利便性は、持ち運びのストレスを大幅に軽減してくれます。
万が一の故障!修理サポートはどうなってる?

大切に使っていても、万が一HHKBが故障してしまった場合、その後のサポートがどうなっているのかは気になるところですよね。結論から言うと、HHKBの製造元であるPFUのサポートは非常に手厚く、安心して任せることができます。
驚くべきことに、保証期間である購入後1年を過ぎていても、ユーザーに過失がある故障(コーヒーをこぼした等)であっても、無償で修理や清掃をしてもらえたという事例が報告されています。もちろんケースバイケースではありますが、この手厚い対応はユーザーにとって大きな安心材料です。
修理の流れは、まずPFUのサポートフォームから問い合わせ、指示に従ってキーボードを発送します(この時の送料はユーザー負担)。その後、PFU側で診断が行われ、修理・清掃後に返送されるという流れです(返送料はPFU負担)。
特筆すべきは、その対応の速さです。問い合わせから修理済みのキーボードが手元に届くまで、わずか3日だったという驚きの報告もあります。毎日使う仕事道具だからこそ、この迅速な対応は非常にありがたいですね。高価なキーボードではありますが、こうした充実したアフターサポートもHHKBが長く愛される理由の一つと言えるでしょう。
HHKBの持ち運びに役立つアイテムと方法
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HHKBの持ち運びにはケースやリュックが必須
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ソフトケースとハードケース、どっちを選ぶ?
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公式・純正ケースの評判と特徴を比較
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100均グッズでHHKBの持ち運びは可能?
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パームレストも一緒に持ち運ぶ?
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HHKBの持ち運びを快適にするアクセサリー
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究極の解決策?自宅と職場の2台持ち
HHKBの持ち運びにはケースやリュックが必須

HHKBを持ち運ぶと決めたなら、専用のキーボードケースは絶対に用意すべき必須アイテムです。前述の通り、HHKBは衝撃や傷に弱い精密機器。ケースなしで持ち運ぶことは、高価な相棒を危険に晒す行為に他なりません。
ケースに入れることで、移動中の振動や他の荷物との接触からHHKBをしっかりと保護できます。また、ホコリや汚れが付着するのも防いでくれるでしょう。
持ち運びのスタイルとしては、リュックサックを利用するのがおすすめです。理由としては、まず両手が自由になることが挙げられます。片手が塞がっていると、雨の日に傘を差したり、スマホを操作したりする際に不便です。さらに、リュックは重量を両肩に分散してくれるため、片方の肩だけに負担がかかるショルダーバッグなどと比べて、体への負担を軽減できます。
HHKBは重さがあるため、この負担軽減の効果は意外と大きいです。ケースに入れたHHKBをリュックの一番上に入れ、PCや書類など他の荷物と一緒にスマートに持ち運ぶのが、最も安全で快適なスタイルと言えるでしょう。
ソフトケースとハードケース、どっちを選ぶ?

HHKB用のケースには、大きく分けて「ソフトケース」と「ハードケース」の2種類があり、どちらを選ぶかは何を重視するかによって変わります。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に合ったものを選びましょう。
ケースの種類 | メリット | デメリット | こんな人におすすめ |
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ハードケース | ・保護性能が非常に高い ・衝撃や圧力に強い ・型崩れしない |
・重くてかさばる ・価格が高め |
とにかく安全第一で、衝撃からHHKBを完璧に守りたい人 |
ソフトケース | ・軽くてかさばらない ・比較的安価 ・カバンに入れやすい |
・ハードケースより保護性能は劣る ・強い圧力には弱い |
保護性能はそこそこに、軽さや携帯性を重視する人 |
ハードケースは、硬質な素材で作られているため、外部からの衝撃や圧力からHHKBをがっちりと守ってくれます。満員電車でカバンが圧迫されるような状況でも安心感があります。一方、その分だけ大きく重くなるのが難点です。
ソフトケースは、布やクッション材でできており、軽くて柔軟性があるのが特徴です。リュックの隙間にも入れやすく、手軽に持ち運べます。ただし、保護性能はハードケースに一歩譲るため、強い衝撃には注意が必要です。
例えば、バード電子からはプラスチック製のハードな「キーボードトランク」と、クラッチバッグ型のセミハードな「トランスポーター」、布製の「スマートケース」などが発売されています。自分の使い方や心配の度合いに合わせて、最適なタイプのケースを選んでください。
公式・純正ケースの評判と特徴を比較

HHKBを持ち運ぶためのケース選びで、まず候補に挙がるのが製造元であるPFUの公式・純正品です。やはり「公式」というだけあって、その品質やフィット感には定評があります。
代表的な公式ケースとしては、「HHKBハードケースDX」と「HHKBスマートケース2」があります。
「HHKBハードケースDX」は、その名の通りハードタイプのケースです。持ち手が付いたナイロン製のバッグのような形状で、HHKB本体を衝撃からしっかり守ります。サイズはもちろんジャストフィット。HHKBのロゴタグが付いているのも所有欲を満たしてくれます。また、外側にはポケットが付いており、USBケーブルや小物を一緒に収納できるのも便利なポイントです。
一方の「HHKBスマートケース2」は、より手軽なソフトタイプのケースです。HHKBをすっぽりと包み込むような形状で、かさばらずに持ち運ぶことができます。リュックの中にスマートに収納したい場合に適しているでしょう。
どちらのケースも、HHKBのために設計されているため、サイズが合わずに中でキーボードが動いてしまうといった心配がありません。価格は他のサードパーティ製品と比べて少し高めかもしれませんが、その完璧なフィット感と公式ならではの安心感は、HHKBユーザーにとって大きな魅力と言えるでしょう。
100均グッズでHHKBの持ち運びは可能?

「専用ケースは高い…」「もっと手軽に保護できないか」と考える方もいるでしょう。そんな時に思い浮かぶのが100円ショップのグッズを使った代用です。結論から言うと、いくつかの100均グッズでHHKBを収納することは可能ですが、あくまで簡易的な保護と割り切る必要があります。
実際にユーザーの間で試されているのが、ダイソーなどで販売されているA5サイズの「バッグインバッグ」です。クッション性があり、ポケットも付いているため、ケーブル類も一緒に収納できます。ただし、サイズがギリギリのため、入れるのに少しコツがいるようです。
また、意外なところでは1.5L用の「ペットボトルカバー」も、HHKBが丁度よく収まるという報告があります。クッション性のあるタイプを選べば、ある程度の保護は期待できるかもしれません。
しかし、これらの代用品は、あくまで本来の用途とは異なる使い方です。専用ケースのように衝撃吸収性や防水性が考慮されているわけではありません。特にクッション性に関しては、専用品と比べると心許ないのが実情です。
100均グッズは、自宅での保管や、短距離の移動など、リスクの少ない場面での利用に留めておくのが賢明です。「安物買いの銭失い」で大切なHHKBを壊してしまっては元も子もありませんから、持ち運びの頻度が高い方は、やはり専用ケースへの投資をおすすめします。
パームレストも一緒に持ち運ぶ?

HHKBを快適に使う上で、多くのユーザーが愛用しているのが「パームレスト」です。HHKBはキーボード自体に厚みがあるため、パームレストを手首の下に置くことで、タイピング時の手首の角度が自然になり、長時間の作業でも疲れにくくなります。
自宅や職場でHHKBの快適さを知っている人ほど、外出先でもパームレストを使いたいと思うのは自然なことです。しかし、ここに一つの問題が生じます。それは、パームレストの「重さ」と「かさばり」です。
特に、吸振性や安定感に優れた木製のパームレストは人気ですが、その重量は約250gにもなります。ただでさえ重いHHKB本体に、さらにこの重さが加わるとなると、持ち運びの負担はかなり大きくなってしまいます。
この問題に対する一つの解決策として、一部のユーザーはHHKBのオプション品である「キーボードルーフ」をパームレスト代わりに使うという工夫をしています。キーボードルーフは、持ち運び時にキーの上にかぶせてホコリや衝撃から守るための透明なカバーですが、これをキーボードの手前に置くことで簡易的なパームレストとして利用するのです。
もちろん専用品ほどの快適さはありませんが、荷物を一つ減らせるというメリットは大きいです。パームレストの持ち運びで悩んでいる方は、一度試してみる価値はあるでしょう。
HHKBの持ち運びを快適にするアクセサリー

HHKBの持ち運びと利用を、さらに快適にしてくれる便利なアクセサリーがいくつか存在します。これらを活用することで、外出先での作業効率や満足度を一層高めることができます。
まず一つ目は、「キーボードブリッジ」です。これは、ノートPCのキーボードの上にHHKBを置く、通称「尊師スタイル」を実現するためのアクリル製の板です。これをノートPCのキーボードの上に置くことで、HHKBを安定して設置でき、ノートPCのキーを誤って押してしまうのを防ぎます。目線も少し上がるため、姿勢の改善にも繋がる便利なアイテムです。
二つ目は、「L字型のUSBケーブル」です。有線で接続する場合や、充電しながら使いたい場合に役立ちます。特に「尊師スタイル」でHHKBを使う際に、ケーブルが横に飛び出さず、スマートに配線できるため重宝されています。
三つ目は、ちょっとしたカスタマイズですが「クッションゴム」です。これは100円ショップでも手に入る小さなゴム製のシールで、ホームポジションのキー(FとJ)や、自分がよく使うキーに貼り付けることで、ブラインドタッチの際の目印になります。無刻印モデルを使っている方には特におすすめのハックです。
これらのアクセサリーは必須ではありませんが、HHKBの持ち運びをより快適なものにしてくれるでしょう。
究極の解決策?自宅と職場の2台持ち

これまでHHKBの持ち運びに関する様々な方法や注意点を解説してきましたが、すべてのリスクや手間から解放される究極の解決策があります。それは、「自宅用」と「職場・外出用」でHHKBを2台所有することです。
HHKBを持ち運ぶということは、常に故障、紛失、盗難のリスクを伴います。また、ケースやパームレストを含めると荷物が重くかさばるため、毎日の通勤が億劫に感じられることもあるでしょう。
そこで、思い切ってHHKBをもう一台購入し、よく使う場所それぞれに常設してしまうのです。そうすれば、重いキーボードを持ち運ぶ必要は一切なくなり、通勤や移動が非常に身軽になります。外出先で「HHKBを忘れた!」と焦ることもありません。
もちろん、HHKBは高価なキーボードなので、2台購入するのは大きな出費になります。しかし、「一生を共にできるキーボード」というHHKBのコンセプトを考えれば、これは長期的な投資と捉えることもできます。
持ち運びによる物理的・精神的なストレスから完全に解放され、いつでもどこでも最高のタイピング環境が手に入る。この快適さを考えれば、2台持ちは決して高すぎる買い物ではないのかもしれません。HHKBを心から愛し、毎日を最高の環境で過ごしたいと考えるなら、検討する価値のある選択肢と言えるでしょう。
HHKB持ち運び術の総まとめ
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HHKBの持ち運びは可能だが、相応の準備と覚悟が必要である
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本体重量は約540gあり、見た目以上に重いことを認識すべきだ
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故障の主な原因は落下などの衝撃と、コーヒーなどの水分である
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持ち運びには衝撃から守るための専用ケースがほぼ必須となる
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ケースは保護性能を最優先するならハード、携帯性ならソフトが適する
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PFU公式やバード電子製の専用ケースは、品質とフィット感で評判が高い
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100均グッズでの代用も不可能ではないが、保護性能は劣りリスクも伴う
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リュックやカバンに入れる際は、荷物の圧力から守るため一番上に置くのが鉄則だ
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公共の場での使用を考えるなら、静音性に優れたType-Sモデルが強く推奨される
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取り回しの良さを考えると、ケーブルレスで使えるHYBRIDモデルが断然便利だ
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パームレストは快適性を向上させるが、荷物がさらに重くなる要因にもなる
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キーボードブリッジは、ノートPCの上でHHKBを使う際に非常に便利なアイテムだ
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万が一故障しても、PFUの手厚い修理サポートがあるため安心感は高い
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持ち運びのリスクと手間を無くす究極の解決策は、自宅と職場での2台持ちである
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HHKBは単なる道具ではなく大切なパートナー、最適な方法で長く付き合うべきだ