CPUクーラーのネジ規格で悩んでいませんか?自作PCやパーツ交換の際、種類やサイズの見分け方、M3やM4、インチネジとミリネジの違いに戸惑うことは少なくありません。また、ネジを紛失した際の代用方法やどこで売ってるかという疑問も生じます。
この記事では、メーカー付属品のリテンションキットやバックプレートの正しい取り付け方から、対角線で締める理由や締め付けトルクの目安、締めすぎによるリスク、固いネジの外し方といった実践的な知識、さらにはトラブル対処法まで、作業時の注意点を網羅的に解説します。
- CPUクーラーに使われるネジの主要な種類や規格
- ネジの正しい取り付け方と締め方の具体的なコツ
- ネジを紛失した時の探し方や適切な代用方法
- ネジに関するよくあるトラブルとその対処法
CPUクーラーのネジ規格を知るための基本知識
- 主要メーカーの付属品とは?
- リテンションキットとバックプレートの役割
- CPUクーラーのネジの種類とサイズ
- M3・M4・インチネジ・ミリネジの違い
- ネジの見分け方を解説
- ネジはどこで売ってる?ホームセンターや通販
主要メーカーの付属品とは?

CPUクーラーを購入すると、ヒートシンクやファン本体以外にも、マザーボードに取り付けるための様々な部品が同梱されています。これらはクーラーの性能を最大限に引き出すために不可欠なものです。
主要なCPUクーラーメーカー(例: Noctua, Cooler Master, DeepCool, Scytheなど)の製品には、一般的に以下の付属品が含まれています。
一般的な付属品リスト
- リテンションキット:バックプレート、マウントブラケット、スタッドネジ、スペーサー、固定用ネジなど一式
- サーマルグリス:CPUとクーラーの熱伝導を良くするための素材
- ファンクリップやケーブル類:ファンを固定する金具や分岐ケーブル
- 取扱説明書(マニュアル):取り付け方法を記載した最も重要な書類
特に重要なのがリテンションキットです。多くの製品はIntel(LGA1700/1200など)とAMD(AM5/AM4など)の両方のCPUソケットに対応できるよう、複数種類のパーツが付属しています。マニュアルをよく読み、自分の環境に合った正しいパーツを使用することが非常に重要です。
リテンションキットとバックプレートの役割
リテンションキットは、単にCPUクーラーをマザーボードに固定するだけの部品ではありません。CPUの性能を安定して引き出すための重要な役割を担っています。
リテンションキットの主な役割
- 物理的な固定
数百グラムから1kgを超える重量のあるCPUクーラーを、PCの振動や衝撃で外れたりずれたりしないよう、マザーボードにがっちりと固定します。 - 適切な圧力の確保
CPUの表面(ヒートスプレッダ)とクーラーの底面を、均一かつ適切な圧力で密着させます。これにより、間に塗布したサーマルグリスが薄く広がり、熱伝導の効率が最大化されます。 - マザーボードの保護
クーラーの重量や固定時の圧力を、バックプレートと呼ばれるマザーボード裏面の補強板で分散させます。これにより、マザーボード基板が歪んだり、たわんだりするのを防ぎ、物理的な破損から守ります。
バックプレートは金属製や強化プラスチック製が主流で、マザーボードとの接触面にはショートを防ぐための絶縁シートが貼られています。これらの部品が一体となって、初めてCPUクーラーは安全かつ高性能に動作するのです。
CPUクーラーのネジの種類とサイズ

CPUクーラーやPCパーツで使用されるネジには、いくつかの規格があります。特に重要なのが「種類(規格)」と「サイズ」です。
ネジの表記の見方
ネジは一般的に「M3 x 6mm」のように表記されます。
- M3:ネジの直径(呼び径)が3mmの「ミリネジ」であることを示します。
- 6mm:ネジの長さ(首下長)が6mmであることを示します。
※皿ネジの場合は、頭の頂点から先端までの全長を指すため注意が必要です。
CPUクーラーで主に使用されるのは以下の2つのサイズです。
- M4ネジ (直径約4mm):クーラー本体をマザーボードに固定するリテンションキットで最も多く使われます。高い強度が必要な部分です。
- M3ネジ (直径約3mm):冷却ファンをヒートシンクやラジエーターに固定する際や、一部のバックプレート固定用に使われます。M.2 SSDの固定にも使われる汎用サイズです。
その他、頭の形状(なべ頭、皿頭など)や材質(鉄、ステンレス)、表面処理(ニッケルメッキ、黒染め)も、デザインや用途によって使い分けられています。
M3・M4・インチネジ・ミリネジの違い
PC自作で混同しやすいのが「ミリネジ」と「インチネジ」です。これらは規格が全く異なり、互換性はありません。
無理に違う規格のネジをねじ込むと、ネジ山が潰れてしまい、取り返しがつかなくなるため、絶対にやめましょう。
| 規格 | 特徴 | 主な用途(PCパーツ) |
|---|---|---|
| M3 (ミリネジ) | 直径3mmのメートル法ネジ。汎用性が高い。 | マザーボード固定、2.5インチSSD/HDD固定、M.2 SSD固定、ファン固定など |
| M4 (ミリネジ) | 直径4mmのメートル法ネジ。M3より太く高強度。 | CPUクーラーのリテンションキット固定、一部の大型パーツ固定 |
| #6-32UNC (インチネジ) | 直径約3.5mmのヤード・ポンド法ネジ。 | 3.5インチHDD固定、PCケースのサイドパネル固定、拡張カード固定など |
CPUクーラーの固定に関しては、ほとんどの場合でM3またはM4のミリネジが採用されています。インチネジが使われることは極めて稀ですが、3.5インチHDDの固定など、他のPCパーツでは現役で使われているため、ネジが混ざらないように注意が必要です。
ネジの見分け方を解説

手元にあるネジの規格が分からなくなった場合、いくつかの方法で特定できます。最も確実なのは、専用の工具を使うことです。
確実な見分け方
- ノギスで測る:ネジのネジ山が切られている部分の直径を測定します。これが最も確実で簡単な方法です。
- 約3mm → M3
- 約3.5mm → #6-32UNC (インチネジ)
- 約4mm → M4
- ピッチゲージで測る:ネジ山のピッチ(間隔)を測定する工具です。より正確な規格を特定できます。
工具がない場合は、PCケースのマザーボード用スペーサー(通常はM3)など、規格が分かっているネジ穴に手で軽く回し入れてみる方法もあります。スムーズに入れば同じ規格、少しでも抵抗があれば違う規格です。
M3とM4は太さが明らかに違うため、並べて見比べれば判別可能ですが、ミリネジとインチネジ(特にM3と#6-32UNC)は見た目での判別が非常に困難なので注意しましょう。
ネジはどこで売ってる?ホームセンターや通販
CPUクーラーのネジを紛失してしまった場合でも、入手方法はいくつかあります。身近な店舗から専門サイトまで選択肢は豊富です。
- ホームセンター
カインズやコーナンなどの大型店のネジ・金物売り場には、M3やM4のミリネジが豊富に揃っています。1本から購入できるバラ売りが便利で、現物を持参してサイズを合わせられるのがメリットです。ただし、PC用の特殊な低頭ネジや黒色塗装のネジは品揃えが少ない場合があります。 - 通販サイト
Amazonやモノタロウ、ネジ専門店サイトなら、多種多様なネジが見つかります。「M4 PC ネジ 黒」のように検索すれば、目当てのものがすぐに見つかるでしょう。ただし、少量だと送料の方が高くなることもあります。 - PCパーツショップ
ドスパラやパソコン工房などの実店舗やオンラインストアでは、アイネックス(ainex)などのメーカーが販売する「PC自作用ネジセット」が手に入ります。CPUクーラー固定用のネジが含まれていることも多く、一つ持っておくと何かと便利です。
急いでいる場合はホームセンター、特殊なネジを探すなら通販やPCパーツショップ、というように状況に応じて使い分けるのがおすすめです。
CPUクーラーのネジ規格と安全な取り付け・対処法
- 正しい取り付け方と締め方の基本
- 対角線で締める理由と締め付けトルク
- 締めすぎによるリスクと注意点
- 固着したネジの外し方
- ネジが固い・空回りするときの対処法
- ネジを紛失した際の代用方法
- よくあるトラブルとその対処法
- 作業前に確認すべき注意点
正しい取り付け方と締め方の基本

CPUクーラーの性能を最大限に引き出すには、正しい手順で取り付けることが不可欠です。特にネジの締め方は、冷却性能とパーツの安全性に直結します。
基本的な取り付け手順(バックプレート式)
- マザーボード裏面にバックプレートを設置する。
- 表面からCPUソケット周りの穴にスタンドオフ(支柱ネジ)を取り付ける。
- スタンドオフの上にマウントブラケットを載せ、ナットで固定する。
- CPUにサーマルグリスを塗布する。
- クーラー本体の保護フィルムを剥がし、CPUの上に静かに載せる。
- クーラーをブラケットにネジで固定する。
最も重要なのが、最後のネジを締める工程です。以下の2つの原則を必ず守ってください。
- 対角線で締める:4点留めの場合、「右上→左下→左上→右下」のように対角線上のネジを順番に締めます。
- 均等に締める:一つのネジを一気に締め切らず、各ネジを2~3回転ずつ、複数回に分けて少しずつ締め込みます。
これにより、圧力が偏ることなくクーラーがCPUに平行に密着し、最高の冷却性能を発揮します。
対角線で締める理由と締め付けトルク
なぜ「対角線」で「均等」に締める必要があるのでしょうか。それには明確な理由があります。
片側から一気に締めると、シーソーのようにクーラーが傾いてしまいます。その結果、
- CPUとクーラーの間に隙間ができる
- サーマルグリスが偏ってしまい、熱がうまく伝わらない
- CPUやマザーボードのソケットに不均衡な負荷がかかり破損する
といった問題が発生し、冷却性能が著しく低下したり、最悪の場合はパーツを破損させたりする危険があります。対角線に締めることで、クーラーを常に平行に保ちながら、均一な圧力をかけることができるのです。
締め付けトルクについて
「トルク」とはネジを回す力の強さのことです。専門的な作業ではトルクレンチという工具で管理しますが、自作PCでは作業者の感覚(通称「手ルクレンチ」)で締めるのが一般的です。
目安は「ネジの回転が自然に固くなったら、そこで止める」です。多くのクーラーに採用されているバネ付きのネジは、バネの力で適切な圧力をかける設計になっており、多くはネジが回らなくなるまで締め込む仕様です。ただし、製品によって異なるため、必ずマニュアルの指示に従うことが最も安全で確実です。
締めすぎによるリスクと注意点

「しっかり固定したい」という思いからネジを力いっぱい締めてしまうと、PCに深刻なダメージを与える可能性があります。
締めすぎによる主なリスク
- マザーボードの破損:基板が物理的にたわみ、回路が断線してPCが起動しなくなることがあります。
- CPU/ソケットの破損:CPU基板が曲がったり、LGAソケットのピンが接触不良を起こしたり、最悪の場合はCPUのコアが割れる(クラック)危険性も。
- ネジ山の潰れ:ネジの頭の溝やネジ山が潰れ(なめる)、取り外しや再取り付けができなくなります。
- 冷却性能の低下:過剰な圧力でCPUのヒートスプレッダが変形(特に中央が凹む)し、逆にクーラーとの密着が悪化することがあります。
ドライバーを回すのに明らかな力が必要になったり、マザーボードが目に見えてしなったり、「ミシッ」という音が聞こえたりしたら、それは締めすぎのサインです。すぐに力を緩めてください。
固着したネジの外し方
長期間使用したCPUクーラーを取り外す際、ネジが固着して回らないことがあります。また、CPUとクーラーがサーマルグリスで固着して外れない(特にAMD CPUでの通称「すっぽん」)現象にも注意が必要です。
ネジを緩める際の原則も、締める時と同様に対角線に、少しずつ均等に緩めていきます。一つのネジを一気に緩めると、基板に偏ったストレスがかかり危険です。
グリスの固着を剥がすコツ
クーラーを取り外す直前に、ベンチマークソフトなどでCPUに負荷をかけ、5分ほどPCを動作させてみましょう。CPUの熱でグリスが温まって軟化し、クーラーを剥がしやすくなります。
ネジをすべて緩めたら、クーラーを真上に引き抜くのではなく、軽くねじるように左右に動かして、CPUとの固着を剥がしてからゆっくりと持ち上げてください。これにより、CPUがソケットから一緒に抜けてしまう「すっぽん」事故を防げます。
ネジが固い・空回りするときの対処法

ネジが固くて回らなかったり、逆に空回りしてしまったりする際の対処法を知っておくと、いざという時に役立ちます。
ネジが固くて回らない場合
締めすぎや経年による固着が原因です。以下の方法を試してください。
- 適合するドライバーを使う:これが最も重要です。ネジの溝にピッタリ合うサイズの精密なドライバー(JIS規格推奨)を使いましょう。
- 押し付けながら回す:ドライバーをネジに強く押し付ける力7割、回す力3割のイメージで、ゆっくりと力を加えます。
- 輪ゴムを挟む:少しなめかけたネジ頭の上に薄いゴムを当て、その上からドライバーを押し付けて回すと、摩擦力で回ることがあります。
ネジが空回りする場合
ネジ山が潰れているか、裏側のナットが一緒に回っている可能性があります。
- バックプレートを押さえる:マザーボードをケースから外し、裏側のバックプレートやナットを手やプライヤーで固定しながら表からネジを回します。
- 専用工具を使う:ネジ頭を掴んで回す「ネジザウルス」のようなネジ外し専用プライヤーが非常に有効です。
ネジを紛失した際の代用方法
作業中に小さなネジを紛失してしまうことはよくあります。その際は、慌てずに適切な手順で対処しましょう。
最も確実な方法は、CPUクーラーのメーカーサポートに連絡することです。多くのメーカーは保守部品としてネジセットを販売、または提供しています。
それが難しい場合は、代用のネジを探すことになります。その際は、まず元のネジの正確な規格を特定する必要があります。
- 製品マニュアルを確認する:付属品リストに「M4x10mm」のように規格が記載されている場合があります。
- 公式サイトやレビュー記事で調べる:マニュアルがなくても、製品仕様や詳細なレビューで情報が見つかることがあります。
代用ネジを選ぶ際の重要ポイント
- 規格(直径と長さ):元のネジと完全に同じものを選びます。長さが短すぎると固定できず、長すぎるとマザーボード裏の部品に干渉してショートや破損の原因となり大変危険です。
- 頭の形状:元のネジと同じか、周辺部品に干渉しない形状を選びます。特に、皿ネジが必要な箇所になべネジを使うと頭が浮いてしまい、正しく固定できません。
- ワッシャーの有無:元々プラスチックワッシャーなどが付属していた場合、マザーボードの基板保護のために同様のものを用意するのが理想です。
よくあるトラブルとその対処法

CPUクーラーの取り付け後によく発生するトラブルと、その原因・対処法をまとめました。
| トラブル | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| PCが起動しない・動作が不安定 | クーラーの締めすぎによるマザーボードの歪み、ソケットの接触不良。 | 一度ネジをすべて緩め、マザーボードのたわみが無いことを確認してから、再度マニュアル通りに均等な力で締め直す。少し緩めに締めることで改善する場合がある。 |
| CPU温度が異常に高い | ①クーラー底面の保護シール剥がし忘れ ②サーマルグリスの塗り忘れ・不適切 ③クーラーの密着不良(締め付け不均一、緩すぎ) |
再度クーラーを取り外し、上記3点を確認。特に保護シールの剥がし忘れは初歩的ですが非常に多いミスです。グリスを塗り直し、対角線上に均等に締め付け、クーラーがグラつかないか確認する。 |
| ネジやネジ穴が合わない | バックプレートの取り付け向きの間違い、使用するスタンドオフやネジの種類の間違い(Intel用とAMD用など)。 | マニュアルを再度熟読し、自分のCPUソケットに合った正しいパーツを、正しい向きで使用しているか丁寧に確認する。 |
作業前に確認すべき注意点
最後に、CPUクーラーの交換作業を安全に行うための基本的な注意点を確認しておきましょう。準備を怠ると、思わぬトラブルやパーツの破損につながります。
安全作業のためのチェックリスト
- マニュアルの熟読
何よりもまず、製品付属のマニュアルを必ず読みましょう。手順と使用する部品を正確に把握することが、成功への一番の近道です。 - 静電気対策
作業前には水道の蛇口など金属製のものに触れ、体の静電気を放電してください。静電気防止手袋の使用も有効です。 - 適切な工具の使用
ネジ頭のサイズに合った、精度の良いドライバーを使いましょう。工具が合っていないと、ネジをなめる最大の原因になります。 - 保護シールの剥がし忘れ確認
CPUと接触するクーラーのベース面には、ほぼ必ず透明な保護シールが貼られています。これを剥がし忘れるとCPUが全く冷却されず、故障の原因になります。 - 部品の管理
小さなネジや部品は非常に紛失しやすいです。トレイなどを用意し、ソケットごとや種類ごとに分けて管理すると作業がスムーズに進みます。 - 力加減の意識
締めすぎは百害あって一利なしです。ネジが軽く止まったら、それ以上無理な力を加えないことを常に意識してください。
総まとめ:CPUクーラーのネジ規格を理解しよう
この記事では、CPUクーラーのネジに関する規格から、安全な取り付け・取り外し方法、そしてトラブルシューティングまで幅広く解説しました。最後に、重要なポイントをリストで振り返ります。
- CPUクーラーの固定には主にM4、ファン固定にはM3のミリネジが使われる
- ミリネジとインチネジに互換性はなく、無理な使用はネジ山を破損させる
- ネジの規格はノギスで測るのが最も確実な見分け方である
- リテンションキットはクーラーの固定と適切な圧力の確保に不可欠な部品
- 取り付け時は対角線上のネジを複数回に分けて均等に締めるのが鉄則
- ネジの締めすぎはマザーボードやCPUを物理的に破損させる重大なリスクがある
- 多くのクーラーのネジは回転が固くなったら、そこで締めるのをやめる
- クーラーを外す際はCPUを温め、ねじるように動かすと固着を防げる
- ネジが固い場合は適合するドライバーを使い、押し付ける力7割で回す
- ネジを紛失したらまずメーカーに連絡し、代用品は規格を厳守する
- CPU温度が高い場合、クーラー底面の保護シール剥がし忘れを第一に疑う
- PCが起動しないトラブルは、クーラーの締めすぎによる基板の歪みが原因かも
- 作業前には必ずマニュアルを熟読し、使用する部品と手順を確認する
- 静電気対策や適切な工具の準備など、基本的な安全対策を怠らない
- ネジに関する正しい知識を持つことが、安全で確実なPC自作につながる