今回は最強コスパCPU10選と題して、おすすめのCPUを紹介していきます。
自作PCやBTOパソコンを選ぶとき、心臓部であるCPU選びは一番の悩みどころですよね。たくさんの種類があって、どれが自分に合っているのか、性能と価格のバランスが取れたモデルはどれなのか、迷ってしまうのも無理はありません。さらになるべく低価格で探そうとすると、選択肢が多すぎて決めきれないこともあると思います。
この記事では、インテル Core i5-14600KFやAMD Ryzen 7 5700Xといった人気のモデルから、バランスの取れたインテル Core i5-14400F、旧世代ながら根強い人気のインテル Core i5-13400F、さらにAMD Ryzen 5 9600Xやインテル Core Ultra 5 225Fといった最新CPUまで、コスパに優れたおすすめモデルを網羅的に解説します。もちろん、AMD Ryzen 5 5600のような定番や、AMD Ryzen 5 5600T、AMD Ryzen 7 3800Xといった少しマニアックな選択肢までPC選びの助けになる情報が満載です。
- 予算や用途に合ったCPUの選び方がわかる
- IntelとAMDの最強コスパCPUの特徴を比較できる
- 各CPUのメリット・デメリットをしっかり把握できる
- 自作PC初心者でも失敗しないCPU選びのコツがわかる
4万円以内で探す!CPUコスパおすすめモデル
まずは、比較的手に取りやすい価格帯でありながら、しっかりとした性能を持つCPUたちを紹介します。ゲームを楽しみたい方から、動画編集などのクリエイティブな作業、普段使いまで、幅広いニーズに応えるモデルがそろっていますよ。特にコストを重視するなら、この中から選ぶのがおすすめです。
- インテル Core i5-14600KF
- インテル Core i5-14400F
- インテル Core i5-13400F
- AMD Ryzen 7 5700X
- AMD Ryzen 7 3800X
インテル Core i5-14600KF
- 高クロックでゲーム性能に特化
- 高負荷時の発熱が大きく強力なクーラーが必須
- 内蔵グラフィックスなし(Fモデル)
ゲーム性能を重視するなら、このCore i5-14600KFは非常に有力な候補になります。結論から言うと、3万円台前半という価格ながら、多くのゲームを高フレームレートで快適に遊べるポテンシャルを持っています。その理由は、高性能なPコア(パフォーマンスコア)と、バックグラウンドタスクを得意とするEコア(高効率コア)を組み合わせたハイブリッド構成にあります。ゲームのような高いシングルコア性能を要求される処理はPコアが担当し、配信ソフトやブラウザなどはEコアが処理することで、ゲームプレイを邪魔しません。ただし、良い点ばかりではありません。このCPUは性能が高い分、高負荷時にはかなりの熱を発します。そのため、冷却性能の高いCPUクーラーが必須です。また、内蔵グラフィックス機能がない「F」付きモデルなので、別途グラフィックボードを用意する必要があります。最近では、第13・14世代CPUの安定性に関する話題も出ていますが、Intelやマザーボードメーカーから対策用のBIOSが提供されているので、適用すれば安定した運用が可能です。性能と価格のバランスが良く、ゲーム好きにはたまらない選択肢といえるでしょう。
インテル Core i5-14400F
- ゲームも作業もこなせる万能選手
- 消費電力が比較的低く扱いやすい
- コスパに優れた3万円前後の定番モデル
「特にこれといったこだわりはないけど、ゲームも動画編集もそつなくこなせる万能なCPUが欲しい」そんなあなたにはCore i5-14400Fがぴったりかもしれません。このCPUは、10コア16スレッドという十分なスペックを持ちながら、消費電力が比較的抑えられていて扱いやすいのが魅力です。前世代の13400Fからの性能向上は限定的という声もありますが、これから新しくPCを組むのであれば、より新しい世代であるこちらを選ぶ価値は十分にあります。価格も3万円前後で手に入ることが多く、コストパフォーマンスは非常に良好です。注意点としては、ごくまれに初期不良の個体があるという口コミも見られます。これはどのPCパーツにも言えることですが、万が一の際に備えて、保証やサポートがしっかりした販売店から購入すると安心ですね。内蔵グラフィックスがない「F」モデルのため、グラフィックボードは必須となりますが、その分価格が抑えられているので、全体の予算を組み立てやすい、まさに優等生的なCPUです。
インテル Core i5-13400F
- 2万円台で買える圧倒的なコストパフォーマンス
- 低発熱で扱いやすく自作初心者にも最適
- DDR4メモリなどを流用して安価に組める
1世代前のモデルと侮ってはいけません。Core i5-13400Fは、今なおコスパ最強クラスのCPUとして人気があります。発売から時間が経ち、価格がかなりこなれてきているのが最大の魅力で、2万円台で見つけることも難しくありません。性能面でも、この世代からEコアが搭載されたことで、旧来のCore i5とは一線を画すマルチタスク性能を持っています。動画を再生しながらゲームをしたり、複数のソフトを同時に立ち上げたりといった作業も快適です。TDP(熱設計電力)も65Wと低く、発熱が穏やかなので、高価なCPUクーラーを必要としないのも嬉しいポイント。自作PC初心者の方でも扱いやすいモデルと言えます。また、対応するLGA1700ソケットのマザーボードは種類が豊富で、価格も安価なものが多く出回っています。メモリもDDR4とDDR5の両方に対応しているため、手持ちのパーツを活かして安くアップグレードしたい、というニーズにも応えてくれます。最新にこだわらないのであれば、非常に賢い選択肢の一つです。
AMD Ryzen 7 5700X
- 8コア16スレッドで動画編集などマルチタスクに強い
- 2万円台前半で手に入る優れたコストパフォーマンス
- 旧世代のAM4プラットフォームで将来性は限定的
AMD陣営で圧倒的なコストパフォーマンスを誇るのが、このRyzen 7 5700Xです。8コア16スレッドという、少し前まではハイエンドクラスだったスペックを、なんと2万円台前半で手に入れることができます。このCPUの強みは、何と言ってもマルチスレッド性能の高さ。コア数が多いため、動画のエンコードや配信、複数のアプリケーションを同時に動かすといった作業が非常に得意です。もちろん、ゲーム性能も十分高く、ほとんどのタイトルを快適にプレイできます。TDP65Wと消費電力が低く、扱いやすいのも人気の理由です。デメリットを挙げるとすれば、対応するAM4プラットフォームが旧世代であるという点です。つまり、将来的に新しいCPUに交換するといったアップグレードの余地がほとんどありません。しかし、「一度組んだら数年は使い続ける」という方であれば、全く問題にならないでしょう。既存のAM4マザーボードやDDR4メモリを流用して、最小限のコストでPCを大幅にパワーアップさせたい場合に、これ以上ない選択肢と言えます。
AMD Ryzen 7 3800X
- 中古市場で安価なら狙い目の旧世代8コアCPU
- 現行モデルより発熱が大きく、冷却に工夫が必要
- 新品での購入メリットは少なく玄人向け
少しマニアックな選択肢として、Ryzen 7 3800Xを紹介します。このCPUはRyzen 3000シリーズのもので、今となっては3世代前のモデルです。しかし、8コア16スレッドという構成は今でも十分にパワフル。特に中古市場で1万円台後半で出回っていることがあり、もし安価で見つけられたら面白い選択肢になります。発売当時は、すぐ下のモデルである3700Xとの価格差の割に性能向上が小さく、少し不遇な立ち位置でした。しかし、時間が経った今ではその価格差も曖昧になり、純粋に性能で選べるようになっています。注意点として、TDPが105Wと現行のCPUに比べて高めで、発熱もそれなりにあります。そのため、冷却性能に優れたCPUクーラーを用意することをおすすめします。口コミによれば、AMDの純正ツール「Ryzen Master」でエコモードに設定すると、性能の低下を抑えつつ消費電力と発熱を効果的に下げられるようです。新品で選ぶ理由は少ないですが、中古パーツをうまく活用して安くパワフルなPCを組みたい玄人向けのCPUです。
性能バランスで選ぶ!CPUコスパおすすめモデル
ここからは、もう少し予算を上げて、より高い性能や新しい機能を求める方向けのCPUを紹介します。最新世代のCPUや、内蔵グラフィックス付きのモデルなど、特徴的なラインナップがそろっています。将来性や特定の用途を重視するなら、こちらのCPUがおすすめです。
- インテル Core i5-14600K
- インテル Core Ultra 5 225F
- AMD Ryzen 5 9600X
- AMD Ryzen 5 5600
- AMD Ryzen 5 5600T
インテル Core i5-14600K
- トラブル対応に便利な内蔵グラフィックスを搭載
- 14600KFと同等の高いゲーム性能
- 価格は少し高めだが「安心料」としての価値あり
先ほど紹介した14600KFの「K」モデル、Core i5-14600Kです。基本的な性能はKFモデルと全く同じですが、最大の違いは「内蔵グラフィックス機能(Intel UHD Graphics 770)を搭載している」点です。「グラフィックボードを別に買うのに、内蔵グラフィックスなんて必要?」と思うかもしれません。しかし、これがあるといざという時に非常に便利です。例えば、PCを組んだ後に映像が映らないといったトラブルが起きた際、原因がグラボにあるのか、それ以外にあるのかを切り分ける手助けになります。また、グラボの故障時にも最低限の画面表示ができるため、PCが全く使えなくなる事態を避けられます。もちろん、KFモデル同様に高いゲーム性能とマルチタスク性能を誇りますが、発熱や消費電力が大きいという弱点も共通しています。そのため、強力なCPUクーラーと、安定した電力を供給できるマザーボードを選ぶことが重要です。価格はKFモデルより数千円高くなりますが、その差額を「安心料」と考えられるなら、Kモデルを選ぶ価値は十分にあります。
インテル Core Ultra 5 225F
- AI処理を高速化するNPUを搭載した最新CPU
- 新しいソケットでマザーボードが高価になりがち
- 現状は「未来への投資」という側面の強い選択肢
AI時代の到来を感じさせる、全く新しいコンセプトのCPUがCore Ultra 5 225Fです。このCPUの最大の特徴は、AI処理を専門に担当する「NPU(ニューラル・プロセッシング・ユニット)」を搭載している点です。これまでCPUやGPUが行っていたAI関連の計算をNPUが肩代わりすることで、より効率的に処理できるようになります。例えば、Web会議での背景ぼかしやノイズ除去、画像生成AI、動画編集ソフトのスマート機能などが、よりスムーズに、そして低消費電力で動作することが期待されます。ただし、このCPUは登場したばかりで、まだ発展途上な部分も多いです。対応するソケットが新しい「LGA1851」のため、マザーボードの選択肢が限られ、価格も高めです。純粋なCPU性能が既存のCore i5から飛躍的に向上しているわけではないため、現時点では「未来への投資」という意味合いが強い選択肢と言えるでしょう。AIを活用した最新のアプリケーションをいち早く、快適に使ってみたいという好奇心旺盛なあなたにおすすめです。
AMD Ryzen 5 9600X
- 最新のZen 5採用でシングルコア性能が向上
- AM5プラットフォームで将来性がある
- DDR5メモリが必須で初期コストが高め
AMDの最新世代「Ryzen 9000シリーズ」のミドルレンジを担うのが、このRyzen 5 9600Xです。「Zen 5」と呼ばれる新しいアーキテクチャを採用し、特にゲームで重要になるシングルコア性能が大きく向上しました。旧世代のCPUから乗り換えれば、あらゆる場面で処理速度の向上を体感できるでしょう。TDP65Wと消費電力が抑えられており、扱いやすいのも嬉しいポイントです。また、最新のAM5プラットフォームに対応しているため、将来的にも同じマザーボードでCPUをアップグレードできる「将来性」があります。ただし、最新世代ならではの注意点もあります。AM5プラットフォームはDDR5メモリが必須となるため、マザーボードとメモリも新しく購入する必要があり、初期投資は高くなりがちです。また、発売直後はマザーボードのBIOSが不安定な場合もあり、安定動作のためにはBIOSのアップデートが推奨されます。最新の性能と将来性を重視するなら、非常に魅力的なCPUです。
AMD Ryzen 5 5600
- 「迷ったらコレ」と言われるほどの定番・高コスパCPU
- ゲームから普段使いまでこなすバランスの良さ
- AM4対応でPC全体を非常に安価に組める
自作PCの世界で「迷ったらコレ」と言われるほどの定番CPUがRyzen 5 5600です。その理由は、6コア12スレッドという、ゲームから普段使いまで、ほとんどの用途で不足のない性能を、非常に安価に手に入れられる点にあります。このCPUの最大のメリットは、対応するAM4プラットフォームのエコシステム(関連パーツの豊富さ)です。マザーボードやDDR4メモリは種類が豊富で価格も安く、PC全体のコストを大きく抑えることができます。そのため、初めて自作PCに挑戦する方や、とにかく安くPCを組みたい方に最適です。性能面では、ミドルクラスのグラフィックボードと組み合わせても、CPUが原因で性能が頭打ちになる「ボトルネック」が起きにくく、非常にバランスの取れた設計になっています。最新のハイエンドCPUと比較すれば見劣りしますが、「普通にゲームができて、普段使いも快適」という多くの人が求めるレベルを、高いコストパフォーマンスで実現してくれる、頼れる存在です。
AMD Ryzen 5 5600T
- TDP 35Wという驚異的な省電力性
- 小型PCや静音PCの構築に最適
- 入手性が悪く、用途が明確な玄人向けモデル
最後に紹介するのは、少しニッチですが面白い存在のRyzen 5 5600Tです。このCPUのモデル名の末尾にある「T」は、省電力を意味します。TDPはわずか35Wと、デスクトップ用CPUとしては驚異的な低さです。性能面では、ベースとなったRyzen 5 5600からクロック周波数が抑えられているため、若干劣ります。しかし、その分だけ発熱が非常に少ないのが最大の特徴です。この特性を活かして、ファンレス運用に挑戦したり、非常にコンパクトな小型PCを組んだりするのに最適です。また、常に静かな動作音が求められるリビング用のPC(HTPC)などにも向いています。ただし、このモデルは一般の市場にはあまり流通しておらず、入手が難しい場合があります。また、性能を最優先するなら、無印の5600や5700Xを選ぶ方がコストパフォーマンスは高くなります。省電力性や静音性に特化したPCを作りたいという、明確な目的がある玄人向けのCPUと言えるでしょう。
あなたに合うCPUは見つかった?コスパ最強おすすめCPU総括
- CPU選びは予算と用途のバランスが重要
- ゲーム性能重視ならCore i5-14600KF/Kが高いパフォーマンスを発揮
- 万能性を求めるならCore i5-14400Fが扱いやすい
- コスト最優先ならCore i5-13400FやRyzen 7 5700Xが鉄板
- 8コア16スレッドのRyzen 7 5700Xはマルチタスクに非常に強い
- 「F」付きモデルは内蔵グラフィックス非搭載で別途グラボが必須
- 「K」付きモデルは高性能だが発熱が大きく、冷却が重要
- AMDのAM4プラットフォームは安価だが将来性に乏しい
- AMDのAM5プラットフォームは将来性があるが初期投資が高い
- IntelのLGA1700はDDR4/DDR5両対応で柔軟な構成が可能
- 最新のCore UltraシリーズはNPU搭載でAI処理に強みを持つ
- Ryzen 9000シリーズはシングルコア性能が向上しゲームに有利
- TDPが低いモデル(5600Tなど)は小型・静音PCに向く
- 旧世代CPUは中古市場で安価なら選択肢になる
- マザーボードのBIOSは最新版へのアップデートを推奨